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ボリビア大統領、アマゾンの道路建設作業中断=反対激化で(Reuters) 住民の声、ここでも

2011-09-29 22:07:21

抗議活動に参加した先住民(ボリビア・ラパス)
【ラパス27日ロイター時事】ボリビアのモラレス大統領は26日、アマゾン地域の幹線道路の建設作業を中断させた。1カ月にわたって抗議のデモ行進が行われ、警察がこれを厳しく取り締まるなど緊張が激化しているのを受けた。

 同大統領は、幹線道路によってつながる2つの地域の住民投票で承認されない限り、全長185マイル(約300キロ)の幹線道路の建設作業は再開されないと述べた。一方、同大統領は先週末に警察がデモ隊を解散させるために武力行使したことを非難した。

 地元メディア報道によると、警察は25日夜にラパスから北に185マイル離れたユクモのデモ隊野営地を襲撃し、催涙ガスを発したりデモ参加者を拘束したりした。この結果、数人が軽傷を負った。また野党のトップ、オンブスマン、それに政府関係者の一部は警察の急襲を批判した。その中には抗議辞職したセシリア・チャコン国防相も含まれる。

 モラレス大統領は、デモ隊を解散させるよう警察に命令していないと述べ、「暴力、行き過ぎた行為と虐待」を非難し、襲撃を調査することを明らかにした。

 道路建設計画に対する激しい抗議行動は、とりわけモラレス大統領にとって厄介なものになった。中心になって抗議活動を行っているのが先住民たちで、普段は同大統領による先住民寄りの改革を支持しているからだ。

 先住民の祖先を持つ初の大統領であるモラレス氏は、インフラを強化するため、幹線道路建設計画を政策の中心に据えている。しかし、それは一方で、同大統領の環境保護に対する姿勢を試すものになっている。

 また、事業規模4億2000万ドルを超える同計画をめぐる論争は、同大統領率いる社会主義運動党(MAS)内の対立をも浮き彫りにした。一部のMAS所属議員はデモと、道路が通過するイシボロ・セクレ国立公園先住民居住区(TIPNIS)に住む1万2000人の要求を支持すると表明している。

 モラレス大統領はアンデス高地に住むケチュア族やアイマラ族といった多数派の間で人気が高いが、東部の低地では同氏の政策に対する反対が根強い。




抗議活動に参加した先住民(ボリビア・ラパス)


http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011092800363