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世界遺産は地域の共有財産 京都・下鴨神社マンション計画問題で市民らが学習会(京都新聞)

2015-06-13 21:01:29

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下鴨神社(京都市左京区)のマンション計画と世界遺産のあり方について考える市民学習会が11日夜、左京区役所で開かれた。約50人が集まり、学識者らから世界遺産の概念、継承への課題などを聞いた。

 

日本福祉大の片方信也名誉教授は、世界遺産の価値には、その場所でしか得られない感情や神秘性といった「精神性」が含まれ、遺産は地域社会の共有財産であって両者は不可分の関係にあるとの概念を示した。

 

 その上で、地域住民の生活空間にある遺産は、古来の人間と自然との関わりの中で培われてきた「歴史的環境」でもあるとして、「全ての関係者がその意義を深く自覚し、遺産継承に努める責任を認め合うことが必要だ」と述べた。

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 続いて、奈良県での世界遺産保護の取り組みについて、奈良歴史遺産市民ネットワーク世話人代表の浜田博生さん(83)が報告。モノレール建設計画が持ち上がった若草山の景観保全や、条里制の遺構が残る田園風景と暮らしの文化をどう守るかといった課題を挙げながら、「保存と継承と活用の問題を真正面に見据えて今後も取り組んでいきたい」と力を込めた。

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 会場からは、マンション計画の背景にある下鴨神社の経営難について「市民も負担をすべき」「(事業を)切り詰めればこんな問題は出てこないのでは」との声があがった。学習会は「世界遺産・下鴨神社と糺の森問題を考える市民の会」の呼びかけで開催された。

 

http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20150612000187