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WWFが東京オリンピックを機に、持続可能性社会への変革を提言。過剰な生産・消費を排し「地球1個分のオリンピックで一つの未来」の実現を目指そう(WWF)

2015-10-19 21:08:54

olympicキャプチャ

国際的な環境保全団体 WWF(World Wide Fund For Nature)は本日、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを、日本が持続可能な社会に大きく近づく変革の契機とするよう求める提言を公開しました。この提言は、「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 街づくり・持続可能性委員会」にも、10月6日に提出しています。

 

提言の中でWWFは、「One Planet, One Future  一つの地球、一つの未来」をキャッチフレーズに、環境負荷を最小限に抑えた大会運営をおこなうことを求め、取り組むべきテーマと、具体的なプロジェクト例を示しています。

 

それらが実現すれば、大会期間中のみならず、大会後も持続可能な「地球1個分の暮らし」が日本の社会全体に広がっていく効果も期待できることから、まさに近年、IOCが求めてきた「オリンピック・レガシー」となり、人類共通の「一つの未来」につながるとWWFは考えます。

 

「地球1個分の暮らし(One Planet Lifestyle)」とは、WWFが掲げる、持続可能な社会のためのコンセプトです。人間による消費が、限りある地球の再生産力の範囲内に収まる社会を実現するために注力すべき「よりよい生産」「より賢い消費」など5つの取り組み分野を示しています。

 

WWFは、2012年のロンドン大会招致の際に、初めて「ワン・プラネット・オリンピック(地球1個分のオリンピック)」というコンセプトを掲げました。この提言が採用され「Towards a One Planet 2012(地球1個分の暮らしに向けて)」がロンドン大会のテーマのひとつとなりました。

 

2016年のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック組織委員会も、大会の会場で供給されるすべての水産物を、環境に配慮して生産されたと認証されている製品にすると発表しています。

 

東京オリンピック・パラリンピックでは、この流れをさらに強化して「One Planet, One Future  一つの地球、一つの未来」を提唱し、地球1個分の暮らし方が、東京大会のレガシーとして人類共通の一つの未来に受け継がれていくことをめざすよう、WWFは提案します。

 

そのための重要テーマが「低炭素社会の実現」と「責任ある調達の根付いた社会の実現」です。

 

「低炭素社会の実現」では、世界最高水準の省エネルギー、再生可能エネルギーの最大限の活用を掲げています。また、CO2削減のための具体的なプロジェクト例も示しています。

 

「責任ある調達の根付いた社会の実現」では、2020年の東京大会で建設・使用・消費されるすべての原材料および産品を、環境保全のみならず、人権などの社会問題にも配慮して調達することを掲げています。中でも、WWFとして特に環境への影響が大きいと考える木材、紙製品、パーム油、水産物に関しては、信頼できる認証製品の導入をはじめとする具体的な案を示しています。

 

安全で文化的な都市であることを世界に認められた東京において、「地球1個分のオリンピックで一つの未来をめざす」ことが実現できれば、地球の再生産力の範囲内で持続可能な消費をおこない、なおかつ人間らしい快適な暮らしが可能であるということを、日本を訪れた世界中の観客に向けて発信する貴重な機会となります。それは、人類が進むべき未来の方向を示す、大きなインパクトになり得ると、WWFは期待しています。

 

http://www.wwf.or.jp/activities/2015/10/1286715.html