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「おかやま山陽高校」 太陽光発電の売電収入で奨学金制度を設立へ。「ソーラー奨学金」。全国の高校・大学は後に続け!(RIEF)

2015-10-26 14:45:40

okayamakoukouキャプチャ

 岡山県浅口市にある「おかやま山陽高校」が、学校が保有する空き地を利用して太陽光発電所を建設、その売電収入を奨学金に充てる制度を発足させる。「ソーラー奨学金」である。発電所は2016年1月に完成、奨学金の支給は17年度から開始とする予定。

 

 おかやま山陽高校は、大正時代からの歴史を抱え、戦後の1948年に現高校の前身となる「岡山県生石高校」が生まれた。校名はその後、変更されて現在に至っている。普通科のほかに専門系(職業系)の学科があり、電気自動車も開発している。「ソーラー奨学金」は専門系の生徒を中心に支給する。

 

 計画では学校が所有する空き地(8900㎡:サッカーグラウンド2面分)に0.8MWの発電能力のある太陽光発電所を建設する。発電電力は年間約100万kWhで、一般家庭280世帯分を見込んでいる。この電力を中国電力に売電して得た収入で奨学金を運用する。

 

 同校では今回の新奨学金制度の目的として①再生可能エネルギーの可能性の啓発、②手に職をつけて地元社会に貢献しようとする若者への応援、③公立私立の学費格差を解消するための、公費に頼らない方法による自助努力の提案、の3つを位置づけている。

 

 同校の発電所は、すでに2012年度に買取制度の認定を受けているため、電力1kWh当たりの買取価格は40円(税抜き)となる。年間の売電収入は約4000万円の見通し。

 

  「ソーラー奨学金」の対象は、専門系の機械、自動車、調理、製菓の4学科と、普通科のうち資格専門コースの福士・保育系、ビューティ系のそれぞれに在籍する生徒。支給額は生徒一人当たり、月額1万円を予定している。対象人数や選考方法などについては今後、決める。

 

 おかやま山陽高校は、自動車科の生徒が開発した「世界で最も車高が低い車」「MIRAI」の開発である。2009年からプロジェクトを開始し、2010年に完成させた。車高は45cmの1人乗り。2011年にギネスの世界記録にも認定された。トヨタ自動車の同名の燃料電池車MIRAIより4年早く登場した。

 

 全国の他の高校・大学も、おかやま山陽高の試みを学べる。広大な空き地がなくても、校舎や体育館の屋根を使った太陽光発電は可能だ。売電収入が少なくとも、発電所の管理・運営を授業に組み込んだり、課外活動として位置づけることで、学力向上との連携も可能になる。

 

http://www.okayama-sanyo-hs.ed.jp/