HOME12.その他 |水俣病2年ぶり認定 熊本県、理由など公表せず。なお1000人以上が認定待ち。日本の環境行政の“失敗の象徴”(東京) |

水俣病2年ぶり認定 熊本県、理由など公表せず。なお1000人以上が認定待ち。日本の環境行政の“失敗の象徴”(東京)

2015-12-03 11:10:24

minamataプチャ

 熊本県は二日、水俣病患者一人を認定したと発表した。熊本県が患者認定するのは二〇一三年十一月の熊本県水俣市の男性以来、約二年ぶり。

 

 県は今回「特定される恐れがある」として、患者の居住地や年齢、性別、認定理由は公表していない。処分は十一月三十日付で、熊本県の認定患者は千七百八十六人となった。

 

 水俣病は感覚障害、視野狭窄(きょうさく)など複数の症状が原則の認定基準とされてきたが、最高裁は一三年四月、感覚障害だけでも認定の余地があると判断。これを受けた環境省の新指針通知(一四年三月)後に熊本県が患者認定したのは初めてだが、県は感覚障害だけを理由に認定したかどうかは明らかにしていない。

 

 県によると、今回審査を受けた県内外の四十~八十代の男女二十四人のうち二十人は棄却、三人は追加の検診が必要として処分保留とした。いずれも県の水俣病認定審査会の答申に沿って決めた。

 

 県水俣病審査課は「症状や汚染との関連を丁寧に審査した結果」と説明した。

 

 棄却された二十人のうち四人を支援する水俣病被害者互助会は、最高裁判決に反しているなどとして、訴訟で争う方針を示した。

 

 今回保留となった三人を含め、なお千二百四十九人が審査を待っている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015120302000128.html