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京都・下賀茂神社境内の「世界遺産の緩衝帯の森」 来月にもマンション着工へ。開発業者は「そうだ 京都。行こう」キャンペーンのJR西日本系デベロッパー(RIEF)

2016-01-13 22:28:24

simogamoキャプチャ

 各紙の報道によると、世界遺産に指定されている京都市左京区の下鴨神社が、境内にある「「糺(ただす)の森」の一部を、JR西日本系のデベロッパーに貸し出してマンションを建設する問題で、同地の開発の法的適合性を審査していた民間の指定確認検査機関の建築確認が下りたことがわかった。これを受けて、建設業者は2月中旬までに本格着工する方針。

 

 建築 確認は6日付で下りた。事業者のジェイアール西日本不動産開発(兵庫県尼崎市)によると、建設基準法等の法令に適合していることを確認できたことから、土地の造成完了後、直ちに基礎工事に着手するとしている。

 

 建設予定地は、神社の一の鳥居の内側に位置し、京都恒例の葵祭の際に、行列の一行が通過する由緒ある場所。1994年に世界遺産に登録されたコアゾーンと隣接するバッファーゾーン(緩衝帯)として登録されている。周辺住民らで結成する「糺(ただす)の森未来の会」は、「この区域の存在によってコアゾーンが保護され、地域との一体性が担保されている」として、マンション計画に反対を続けてきた。

 下鴨神社が「森の切り売り」を選択したのは、21年に一度社殿を新築するという「式年遷宮」の経費捻出のためと説明している。神社では昨年、遷宮を実施、目標として集めた資金は22億円だったが、10億円ほどしか集まらなかったという。そこで土地の売却ではなく、50年の定期借地権を開発業者に委ね、毎年8000万円の地代収入を確保する50年間、確保できる道を選んだとしている。

 マンション計画では樹齢150年を超える大木など45本を伐採、そこに3階建ての富裕層向けのマンションを建設する。定期借地なので50年後には神社に返還される契約だという。

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 これに対して、「未来の会」の住民らは、「糺の森全域は、暮らしや信仰と一体となって歴史的に継承されてきた先人や周辺住民の知恵の賜物。そこにマンションを建てるということは、皆の共同の財産である遺産が、私的所有の形態によって分断され、神社の霊性が資金繰りのために切り売りされることに他ならない」と批判、反対運動を展開している。

 マンション開発業者は、下鴨神社を観光キャンペーンの舞台としてテレビなどで宣伝に取り上げているJR西日本の系列開発会社であることも目を引く。JR西日本が提供する京都キャンペーンのサイトでは「境内の南、樹齢200年以上の老樹が繁る糺の森は、かつて神々の審判の場であった。樹木の間を清流が流れ、憩いの場として親しまれている。世界文化遺産登録」と、世界遺産の森をアピールしている。

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 京都の伝統的な歴史や自然が、観光等に切り売りされる一つの姿との見方も出来る。「未来の会」の川口慈郎共同代表は「今後も計画への異議申し立てを続ける」と話している。式年遷宮の維持を含めて、歴史的価値がある建物や自然、行事については、一宗教団体の負担や判断だけに委ねず、本来は、政府が国全体の文化財政策の中で明確な位置づけをするべきだろう。

https://www.change.org/p/%E7%A5%9E%E5%9F%9F-%E7%B3%BA%E3%81%AE%E6%A3%AE%E3%82%92%E5%AE%88%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84-%E4%B8%96%E7%95%8C%E9%81%BA%E7%94%A3-%E4%B8%8B%E9%B4%A8%E7%A5%9E%E7%A4%BE%E3%81%AB%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%82%E5%A4%A7%E5%9E%8B%E5%80%89%E5%BA%AB%E3%82%82%E8%A6%81%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84

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