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環境配慮型の車づくり、麻やレモン果皮から部品製造。北米自動車ショーで各社が披露(AFP)

2016-01-14 15:33:12

carキャプチャ

【1月14日 AFP】米ミシガン州デトロイトで開催中の北米国際自動車ショーの会場を覗いてみると、車両の部品にペットボトルが原料の繊維や麻、さらには柑橘類の果皮が利用されているのを目にすることができる。これらのマテリアルは、座席やダッシュボード、タイヤなどに利用されている。

 

 自動車メーカー各社は現在、より軽量で環境に配慮した車両の開発を続けており、その過程では、既存の材料ではないものを採用する機会も増えているという。

 

 米自動車メーカー大手フォードのバーブ・ワーレン氏によると、同社では、北米で販売される全車両の座席の繊維に、再生原料を最低30%使用することを定めている。

 

 原油価格の下落を背景に、石油系材料の使用でコストはより低く抑えられるが、フォードでは、この環境に配慮したルールを変える予定はないという。

 

 自動車メーカー各社が進めているのは、より多くの植物系原料の利用だ。BMWは、同社のプラグインハイブリッド車「BMWi3」のダッシュボードの原料としてユーカリ繊維を使用する。

 

 仏自動車部品の合弁企業「フォレシアAPM(Faurecia APM)」は、これら素材について合成素材よりも軽量となる傾向があるとしている。同社の担当者は、「麻などの植物の栽培には、かんがい設備も農薬も不要であるうえ、ドアの重量を約25%削減できる」と語る。

 

 フォレシアAPMでは現在、石油系原料に麻を配合したプラスチック製の部品を製造している。2~3年後には、このプラスチックが天然素材100%となることを目指しているという。

 

■より植物系のタイヤ?

 しかし一部の主な部品については、これら代替材料の比率を上げることが難しいという。タイヤの原料は現在、石油由来の原料約75%、天然ゴム約25%の割合で配合されている。

 

 仏タイヤメーカーのミシュランは、植物由来の原料の割合を引き上げたい考えだが、「(単に)ゴムノキの本数を増やすという訳にはいかない」と話す。そのため同社では、バイオマス由来の糖から合成ゴムを作る方法も模索されている。

 

 その他メーカー各社も様々なマテリアルを試しているようだ。ミシュランによると、低温時にタイヤに柔軟性を与えるヒマワリ油や、タイヤの硬度を高めるレモン果皮由来の樹脂などもその一部だという。

 

http://www.afpbb.com/articles/-/3073131