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国際協力銀行が 住民の反対運動が続くタイでのガス火力発電所建設計画にメガバンク等とともに ファイナンス供与を決定(FGW)エクエーター原則に抵触?

2011-11-07 18:35:24

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国際協力銀行(JBIC)は、電源開発株式会社(Jパワー)がタイで進めているガス火力発電所(ガス焚複合火力発電所)事業に対して、アジア開発銀行、みずほコーポレート銀行、地元タイの金融機関とともに、総額約12億㌦規模を限度とするプロジェクトファイナンス契約を結んだ。ただ、同発電所をめぐっては、農業や漁業中心の地元住民から建設反対運動が続き、環境アセスメントが十分にできなかったり、行政訴訟で争われるなどの経緯と課題を抱えている。

 Jパワーのプロジェクトは、同社が出資するタイ法人Gulf JP NS Company(GNS) がタイのサラブリ県ノンセン軍で、発電用力1600MWのガス焚複合火力発電所を建設・操業し、タイ電力公社に25年にわたって売電する計画。事業設備は三菱重工業の設備を使用、建設から管理、運営まで一括して扱うパッケージ型インフラ海外展開プロジェクトとして位置づけられる。

JBICは、「タイのインフラ基盤整備に寄与するとともに、同国に進出している日系企業が使用する電力の安定供給の観点からも有意義な事業」と説明している。

しかし、同事業計画に対してこれまで地元住民らが反対運動を展開してきたことをフォローしているNGOのメコンウォッチによると、住民たちは、これまでも同地およびサイアム・エナジー社がサメッタ地点での事業計画に反対運動を展開してきている。いずれの地域も豊かな農業・漁業地帯で、発電所建設による周辺環境への悪化が懸念されている。

事業規模1000万㌦以上のプロジェクトについては、民間の金融機関の自主的基準である「エクエーター原則」によって、アクションプランの策定、環境アセスメントの実施等のルールが定められている。同発電所も対象になるが、JBICはエクエーター原則に署名していない。ただ、協調融資団には、エクエーター署名機関である、みずほコーポレート銀行が加わっているため、同行が今後、原則にのっとった環境・社会面のチェックをするのかどうかが注目される。

国際協力銀行のプレスレリース:http://www.jbic.go.jp/ja/about/press/2011/1107-01/index.html

みずほコーポレート銀行のニュースレリース:

http://www.mizuhocbk.co.jp/company/release/pdf/20111107.pdf