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熊本地震で 熊本市内の水前寺成趣園の池干上がる 地下水の流れ変化か(熊本日日新聞)

2016-04-25 22:02:31

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  熊本地震の後、水前寺成趣園(熊本市中央区)の池の大半が干上がったり、井戸水が濁ったりする現象が起きている。

 

 専門家は地下の構造に変化が生じて地下水の流れが変わった可能性を指摘、家庭の井戸水を飲む前に水質検査を受けるよう呼び掛けている。

 同園の土産物店の男性(66)によると、16日未明の本震後、池の水が急激に減り、底が露出する状態になったという。男性は「50年以上見ているが、こんなことは記憶にない」と驚く。


 熊本大大学院自然科学研究科の嶋田純特任教授(水文学)によると、周辺の地下水は浅い場所と比較的深い場所の2層に分かれている。その間には、「布田層」と呼ばれる水を通しにくい層がある。


 嶋田特任教授は「地震前後のデータがそろわず、推測の域を出ない」と断った上で、地震により布田層に何らかの変化が生じ、浅い地下水が深い場所へ落ち込んでいる可能性を指摘する。雨が増える夏にかけて地下水位が上がり、池の水が戻る可能性もあるという。


 同市が水道水に取水しているのは、大半が比較的深い地下水だ。嶋田特任教授は、地震が水道に与える影響は考えにくいとする。


 ただし、浅い地下水を利用する家庭の井戸は、水質に注意が必要という。地下水の流れが変わった結果、これまでと同じ水質が保たれているか分からないためだ。

 

 「下水管が破損して汚染源となることも推測される」と嶋田特任教授。熊本市生活衛生課によると、地震後、家庭の井戸水が濁ったという情報も寄せられている。


 同課は、家庭の井戸水は検査を終えるまで飲まないよう注意を呼び掛けている。水質検査は民間機関のほか、被災世帯については熊本市環境総合センター(東区)も対応している。(鹿本成人)

 

http://kumanichi.com/news/local/main/20160424020.xhtml