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産卵期太平洋クロマグロの販売を半数以上の企業が問題視 資源回復のため、産卵期の保護ルールが急務 ーースーパー・生協・デパート・回転ずしの20社にアンケート調査(Greenpeace)

2016-07-14 16:44:04

greenpeaceキャプチャ
 国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、国内大手のスーパーマーケット・生協5社、デパート5社、回転ずしチェーン10社を対象とした「産卵期の太平洋クロマグロの取り扱いアンケート調査」の結果を発表しました(注)。
 回答のあった16社のうち、半数以上の11社が産卵期の太平洋クロマグロの取り扱いは資源量減少に影響すると認識しつつも、販売を中止すると答えた企業はありませんでした。主な調査結果は以下の通りです。

 

 

[調査の概要]


・調査対象:イオン、イトーヨーカドー、西友、ユニー、日本生活協同連合会(以下、日本生協連)、そごう・西武、髙島屋、大丸松坂屋、阪急阪神、三越伊勢丹、はま寿司、スシロー、元気寿司、がってん寿司、平禄寿司、すしざんまい、無添くら寿司、かっぱ寿司、すし銚子丸、にぎり長次郎


・調査期間:2016年6月3日〜6月17日
・調査方法:企業に直接アンケートを送付・回収

[産卵期の太平洋クロマグロの販売は、資源量減少に影響すると半数以上の企業が認識]


・影響があると回答したのは11社(イトーヨーカドー、ユニー、日本生協連、そごう
・西武、髙島屋、大丸松坂屋、阪急阪神、三越伊勢丹、スシロー、がってん寿司、すしざんまい)。
・イオン、西友、はま寿司、元気寿司、平禄寿司の5社は無回答。

[産卵期の太平洋クロマグロの販売を中止する企業は0社、削減を検討する企業は5社]


・中止しない主な理由は、国の基準に従っているから(阪急阪神、三越伊勢丹、大丸松坂屋)、消費者の需要があるから(イトーヨーカドー、そごう・西武、髙島屋、大丸松坂屋)だった。


・販売量削減を検討する5社(イオン、イトーヨーカドー、ユニー、そごう・西武、大丸松坂屋)。


・代替案として、養殖・完全養殖の太平洋クロマグロを代替案として挙げる企業が多くいた。

[産卵期の太平洋クロマグロを販売しているのは、主にスーパーとデパート]


・明確に取り扱いがあると回答したのは、スーパー4社(イオン、イトーヨーカドー、西友、ユニー)とデパート4社(そごう・西武、三越伊勢丹、髙島屋、大丸松坂屋)。


・阪急阪神および平禄寿司は無回答で、取り扱いの断言を避けた。


・回転寿ずし4社(無添くら寿司、かっぱ寿司、すし銚子丸、にぎり長次郎)は回答拒否。

グリーンピース・ジャパン海洋生態系担当 小松原和恵は「太平洋クロマグロは初期資源量のもはや 2.6%しか残っていません(国際科学委員会評価)。疑いようもなく、待ったなしの危機的状況です。しかし、資源量回復のために重要な産卵期の太平洋クロマグロを守るルールがありません。産卵期の太平洋クロマグロを取り扱う企業は、資源量に影響すると認識しながらも国によるルールがないため、販売を続けている状態です。太平洋クロマグロの世界最大の消費国及び、唯一の産卵場所を有する国である日本が、国内における保護管理措置を導入する必要があります」と述べました。

グリーンピース・ジャパンは、太平洋クロマグロの保護を求めるキャンペーン『マグロがいる海がいい』を本日開始し、日本政府(水産庁)に対して、(1)産卵期の禁漁、(2)巻き網漁の規制導入を求める署名をオンライン上で集めます。

(注)グリーンピース・ブリーフィングペーパー「無規制が生んだ太平洋クロマグロの危機」

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2016/pr201607131/