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環境産業、2年連続で100兆円台乗せ。産業全体の1割を超す。環境省2014年度の市場規模推計調査(RIEF)

2016-08-03 18:17:01

ECOINDUSTRyキャプチャ

 

 環境省は2014年の国内の環境関連産業の市場規模が約105兆4133億円(前年比1.3%増)と、2年連続で100兆円台に乗せたことを明らかにした。全産業に占める環境産業市場の割合も、2000年に比べてほぼ倍増の11.1%に拡大している。

 

 環境省は地球温暖化の進行に伴う経済・社会のグリーン化の動きをとらえるため、環境産業の市場規模や雇用、貿易への影響等を調べている。集計の結果、昨年の調査では100兆円に届いていなかった2013年も、事後調整の結果104兆円に修正され、2年連続で100兆円台に乗せた形となった。2000年に比べると約1.8倍に成長したことになる。

 

 分野別では、廃棄物処理・資源有効利用が43%の45兆8334億円と例年同様にトップを占め、ついで、地球温暖化対策関連が35.7%の37兆7116億円、環境汚染防止が12.9%の13兆6053億円、自然保全関連7.8%の8兆2630億円となっている。

 

 ただ、一位は継続して廃棄物処理・資源有効利用分野だが、比率的には同分野は2010年に50%を切って40%台の前半にまで下がっている一方、温暖化対策分野は同年に30%台に乗せ、次第にウエイトを増している。

 

 温暖化対策分野では、自動車の低燃料化分野がもっとも市場規模が大きい。2004年以降の低燃費・排出認定車、ハイブリッド自動車等の発展が牽引した形だ。しかし、2012年以降では、再生可能エネルギー発電を促進する固定価格買い取り制度(FIT)野導入によって、クリーンエネルギー利用分野の成長が著しい。

 

 廃棄物処理・資源有効利用分野は、市場規模は大きいが、2008年のリーマンショックの影響を受けて、09年に大きく落ち込み、その後の省資源、リサイクルの定着の中、微増を続けている。リサイクル素材産業は着実に成長を続けている。

 

 環境産業全体の雇用規模は、2014年は256万人(前年比1.6%増)になった。2000年に比べると、76万人多い4割増となった。特に、成長に著しい再エネ分野は、FIT制度が始まった2012年から14年の2年間で約10万人増えたのが目を引く。

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 環境産業の輸出額は2004年以降増加してきたが、09年はリーマンショック後の景気減速の影響で他の産業と同様に大きく落ち込んだ。14年の輸出額は16兆7000億円と前年比6.3%増となったが、リーマンショック前の08年の18兆円には、まだ及ばない。輸出品の分野別では温暖化対策関連が14兆1360億円で、全体の8割を占めている。輸入額は3兆2555億円で2年連続の3兆円台。こちらも温暖化関連の太陽光パネルなどの輸入が全体の8割を占めた。

 

 同調査では、環境産業の経済波及効果の推定も行なっている。それによると、14年は全体で207兆3003億円にのぼり、市場規模の約2倍になっている。経済波及効果が大きい部門は、省エネ対策の建設リフォーム・リペア、低燃費・低排出認定車(輸出分)、次世代主エネルギー住宅などの順。

http://www.env.go.jp/policy/keizai_portal/B_industry/1-3.suikei.pdf