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グリーンランドに第二次大戦後、放棄された米空軍基地。約70年経過でアスベストや1万バレル以上のドラム缶入り航空機燃料からの汚染拡大の懸念高まるが、米国は処理せず(RIEF)

2016-08-19 22:14:11

 

 グリーンランドは地球温暖化で膨大な氷床が溶融する懸念が指摘されているが、もう一つ、大きな汚染問題が起きている。戦後、米国が使用した空軍基地の跡地に放棄された1万バレルを上回る廃棄燃料による汚染の広がりだ。

 

 汚染が指摘されているのは、東グリーンランドにある「Bluie East Two」という元米空軍基地だ。同基地は1947年に放棄されたが、その際、すべての施設、使用設備等が回収されずに、現地に残されたという。

 

 このため、建物からのアスベストや油、さらに1万バレル(1589㌧)を上回る古い航空機燃料などからの汚染が懸念されている。米軍では基地の汚染対策のための「Army’s Environmental Restoration Program」を持っているが、「Bluie East Two」廃棄基地については、検討はされているものの、具体的な処理対策はいまだ立てられていないという。

 

 写真家のKen Bower氏は、この2年連続で夏場に現地を訪れ、基地の変化の状況を撮影している。現地点では膨大な燃料タンクはドラム缶に入った状態で、ドラム缶が破損したりはしていないという。しかし、放棄から70年以上を経過することから、錆や風化などによってタンクから油が漏洩するリスクは日増しに強まっていると懸念、米国に早期の対策をとるよう求めている。

 

 同氏は米国へ働きかけるため、change.org で署名を集めている。

 

https://www.change.org/p/clean-up-abandoned-u-s-military-base-in-greenland