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「環境危機時計」、今年は4分進んで「9時31分」 「極めて不安」な状態続く。地球温暖化が深刻に。しかし日本人は世界平均よりも楽観的。旭硝子財団が公表(RIEF)

2016-09-09 11:08:46

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  公益財団法人旭硝子財団は8日、環境問題の危機感を時刻で表す「環境危機時計」が今年は、昨年より4分進んで「9時31分」になったと発表した。危機の度合いは世界の有識者に対するアンケートに基づいて算出している。

 

 調査は世界212カ国の有識者約27000人にアンケートを送り、143カ国、1882人から回答を得た。危機を判断するうえで念頭に置く項目として、気候変動、生物多様性、土地利用、環境汚染、水資源、人口、食糧、ライフスタイル、温暖化対策、環境と経済、環境と社会の11項目をあげている。

 

 このうち、危機判断で最も支持率が高かったのは気候変動だった。評価された危機時刻でもっとも高い項目は、生物多様性と環境汚染だった。

 

 世界全体の平均危機時刻は、1992年に調査を開始して以来、2007年に並んで、2番目に危機感が進んだ時刻になった。もっとも時間が進んだのは2008年で9時33分だった。

 

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 時刻分類によると、「9時」以降は「極めて不安」を示す。危機意識がもっとも高かった中東では「10時6分」まで時計は進んでいる。これに対して日本は昨年より6分回復して「9時3分」。世界平均より危機感が薄く、東欧、旧ソ連諸国(8時51分)に次ぐ。

 

 「10時」台に危機時計が進んだ中東は、昨年から1時間も時計の針が動いたことになる。シリア紛争の長期化やその波及などから、地域全体の不安が高まっていることを映している。

 

 地球温暖化への危機感が世界中で高まる中で、日本で逆に全般的な危機感の減退がみられるのは、政府が2020年の温暖化目標を後退させたほか、メディアの報道も十分でないことなどが影響したとみられる。

 

http://www.af-info.or.jp/questionnaire/doc/release2016.pdf