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東京・豊洲市場の地下水から環境基準を上回るベンゼンとヒ素を検出。土壌汚染の浄化不十分であることを立証。東京都自身の調査で判明。汚染企業は東京ガス(RIEF)

2016-09-29 18:42:44

toyosu7キャプチャ

 

  各紙の報道によると、東京都は29日、焦点となっている東京・築地市場(中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の地下水モニタリング調査で、青果棟がある5街区で環境基準を上回る有害物質のベンゼンとヒ素を検出した、と発表した。

 

 都によると、全敷地内の201ヶ所で調査した結果、ベンゼンの環境基準(1㍑当たり0.01mg)を、2ヶ所で0.014mg、0.011mgと上回った。ヒ素の環境基準(1㍑当たり0.01mg)についても1ヶ所で0.019mgと上回った。検出値は最大でベンゼンが環境基準の1.4倍、ヒ素が同1.9倍だった。

 

 同土地では東京都に売却される前に所有していた東京ガスが、1950年代から70年代にかけて、石炭を原料として都市ガスを製造する過程で、シアン化合物とともに、ベンゼンを生成したことが確認されている。ヒ素については、自然由来でも検出される場合があるが、ベンゼンは東京ガスの廃棄物が残留していたとみて間違いない。

 

 東京ガスは東京都に土地を売却する前に、2001年~2007年にかけて、ベンゼン等については現場でバイオ処理によって除去、ヒ素については場外で洗浄処理等を実施して、土壌浄化を完了した、としていた。その後、東ガスの対策が不十分だったことが判明、東京都が追加で849億円を投じて、再浄化の工事を行なった。

 

 今回の環境基準を超過するベンゼンとヒ素の検出は、東京都の再工事でも土壌汚染を浄化できていないことを明確にした。今後、小池百合子都知事は、更なる汚染の広がりがある可能性のある土地を再々浄化して、都民の不安を解消するのか、それとも豊洲移転を断念して築地での市場改良に取り組むのか、の選択を迫られることになる。

 

 同時に、自ら汚染した土壌の浄化を十分にできないまま、大半の対策費用を都に委ね、土地代金1859億円を得た東京ガスの「社会的責任」が改めて問われる。汚染者負担の原則を無視して、都税での負担に切り替えた都の土地契約の正当性にも都知事がメスを入れるかどうか。http://rief-jp.org/blog/64485?ctid=33

 

 また、都がこれまで豊洲地区で実施した7回の調査では、いずれも汚染物資の検出は環境基準を下回っていた。それが、事態が大騒ぎになってからの新たな調査で基準を上回ったデータが出たという点も、これまでの調査の妥当性に疑義を生じさせることになる。

http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/faq/03/