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中国、アフリカ諸国でロバ「爆買い」 皮を漢方薬「阿膠(あきょう)」の原料に。ニジェールなどロバの輸出禁止措置(CNN)

2016-09-30 14:29:07

Chinarobaキャプチャ

 

  (CNN) 中国でよく使われる漢方薬「阿膠(あきょう)」の原料は、ロバの皮から作られるゼラチンだ。風邪や不眠などさまざまな症状に効果があるとされる。

 

 だが工業化の波で中国国内のロバの数は減っている。そこで原料調達先として期待されているのがアフリカだ。輸入は順調に増加しているが、さまざまな問題も起きている。

 

 ニジェールは中国への輸出増を受けて、先ごろロバの輸出を禁止した。

 

 ニジェール政府によれば、今年に入って中国向けに販売されたロバは8万頭。去年の2万7000頭と比べ急増しており、このままでは国内のロバが「激減してしまう」という。

 

 Chinaroba2キャプチャ

 

  禁輸措置に踏み切ったアフリカ諸国はニジェールだけではない。8月にはブルキナファソも同様の措置を取った。同国では半年間で4万5000頭のロバが殺されたという。

 

 両国にとって、ロバは貴重な外貨獲得源だ。だが一方で食肉処理場が水資源の汚染を引き起こしたり、ロバの皮や肉の価格上昇が他の家畜に波及するといった副作用も起きている。

 

 南アフリカのステレンボス大学で中国の研究に携わるエマニュエル・イグビノバ氏は「ロバの価値の高騰が経済に不均衡をもたらした」と指摘。それでも慎重に練った計画の下でなら、ロバ輸出は各国に大きな利益をもたらすとみている。

 

 同氏は「もしアフリカ諸国がうまく規制を導入し、食肉処理場に高い基準を設けたり、ロバ飼育に関する教育を行うことができれば、ロバは重要な収入源になりうる」と説明する。

 

 ブルキナファソはロバ販売への規制を検討しているが、一方で他のアフリカ諸国との競争にもさらされている。

 

 ケニアや南アフリカといった経済力で勝る国々では中国の需要に応えるべく、施設の拡充が進む。また、闇市場での取引もアフリカ全体で盛んとなっている。

http://www.cnn.co.jp/world/35089840.html