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東京都・豊洲市場 地下空間大気の水銀濃度、換気後も値、再び上昇。継続的な漏れの可能性(各紙)

2016-12-11 22:46:27

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 各紙の報道によると、東京都の豊洲市場(江東区)の土壌汚染問題で、地下空間の大気から検出された水銀の濃度が換気後に低下したが、その後、再び指針値を上回ったことがわかった。10日開いた都の専門家会議で報告された。

 

 今年9月末、同市場の青果、水産卸売場の両棟の地下空間の大気から、国の指針値を最大で7倍も上回る水銀濃度を検出した。その後、換気を実施した結果、水産卸売場では指針値以下に下がったが、青果棟では上回り続けていた。

 

 青果棟では、11月17~23日に地下空間内を換気を実施した。換気直後は指針値を下回った。だが、今月1~2日に再計測すると、再びわずかだが指針値を超えたという。専門家会議では複数の委員が「換気の効果がかなりあった」と分析した。

 

 両棟の地下空間の水銀は、座長の平田健正・放送大和歌山学習セター所長によると「地下水に由来をする地下ピットの中の水から気化をしていることは間違いない」。

 

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 都では、棟の底に溜った水をポンプで排水することにしている。会合後、平田座長は、排水完了までは3カ月程度かかると説明した。ただ、地下水が汚染源だとすると、溜り水を除去しても、今後も地下水が漏れ出る可能性は完全には排除できない。

 

 一方、同様に環境基準や指針値を上回るベンゼンや水銀が検出された、水産の卸売場棟と仲卸売場棟を結ぶ連絡通路の地下では、換気の効果はみられなかった。このため、専門家会議は換気方法などを見直すよう都に求めた。

 

 生鮮食料品を常時扱う卸売市場の地下を流れる地下水が、水銀等の有害物質に常時汚染されているという状況は、普通に考えて、「極めて異例」なのではないだろうか。問題は換気の効果ではない。

 

 同地の元所有者の東京ガスは、土地が自らのガス製造工程によって汚染されていることは十分に知っており、当初は都への売却を渋っていたという。そうした土地をなぜ、都が購入したのか。都の調査は、肝心の問いに対しては、まだ答えていない。

 

 専門家会議の会合は次回は、来年1月に開く予定という。小池百合子知事は来年夏にも豊洲に移転するかどうかを判断する方針。