HOME1. 銀行・証券 |国連環境計画主導の生態系保全の「自然資本宣言」に、オーストラリアのNABとオランダのラボバンクの2金融機関が署名(FGW) |

国連環境計画主導の生態系保全の「自然資本宣言」に、オーストラリアのNABとオランダのラボバンクの2金融機関が署名(FGW)

2011-12-19 17:46:47

国連環境計画(UNEP)金融イニシアティブ(FI)が、来年6月にブラジルで開く「RIo+20地球サミット」に向けて、準備を進めている「自然資本宣言(NCD)」に、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)と、オランダのラボバンクグル―プが、宣言受け入れを表明した。自然資本は地球の生態系保全のため、土壌、空気、水、生物多様性等の自然資産から構成され、エコシステムを形作る。こうした自然資本の働きが低下すると、人間の生活も、地球の豊かな生態系も持続可能性を低下させてしまう。

このためUNEPFIは、金融機関や経済主体、公的機関、さらにはNGO等の共通する目標としてNCDを設定、宣言への参加を呼び掛けている。地球にとっての各ステークホルダーは、この宣言に賛同することで、自然資本への配慮を経済社会活動に内部化することを促す。とりわけ、NCDでは政府とともに、金融機関がこうした自然資本の価値づけで大きな役割を果たすことを求めている。

NABとラボバンクの宣言参加表明は、こうした要請に応えた動きである。NABのキャメロン・クラインCEOは「すべての企業は、自らの操業や顧客の存在、さらにはサプライチェーン等のいずれかにおいて、エコシステムサービスに依拠している。したがって、生物多様性やエコシステムサービスへの依存や影響を評価し、伝統的な経済価値のフレームワークの中でそれらを評価することは極めて重要だ」と述べている。日本の金融機関ではどこがNCDへの支持表明をするか注目される。

NCDの概要は次の通り http://www.naturalcapitaldeclaration.org/