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「昨年2016年は過去最高の暑い年だった」 米海洋大気局(NOAA)と米航空宇宙局(NASA)が、それぞれ「最高気温」を認定(RIEF)

2017-01-20 01:12:35

NOAAキャプチャ

 

   米海洋大気局(NOAA)と米航空宇宙局(NASA)は18日、2016年の世界の平均気温が、陸上、海洋とも、観測記録の残る1880年以降で最も高く、平均気温は20世紀平均より0.94℃高い14.84℃の過去最高値を記録した。最高気温は14年から3年連続で毎年更新したことになる。

 

 地球温暖化の影響については、20日に就任するトランプ米大統領が、懐疑論の立場に立っており、一時、パリ協定からの離脱をチラつかせた。政権の主要閣僚候補者にも懐疑論者や否定論者が少なくない。このため、米政権の温暖化政策はオバマ政権時代から180度転換する可能性が指摘されている。

 

 しかし、NOAAとNASAは、科学的な観測結果に基づいて世界の気温上昇が加速度的に高まっていることを示した。そのうえで「人類由来の温室効果ガスによる地球温暖化の進行は明らか」と説明している。

 

 2016年は1月から8月までの8か月連続で、高い気温の月が続いた。特に年の前半は、強力なエルニーニョの発生で陸上、海洋とも高温が続いた。インド洋では、エルニーニョに似たダイコポールモード現象(IDO)も発生、海洋の高温を増長した。エルニーニョは9月以降はやや低下したが、年間を通じても観測史上もっとも暑い年となった。

 

 OASS2キャプチャ

 

  グローバルな陸上の気温も過去最高を更新した。陸上気温の平均は20世紀平均を1.43℃、前年比を0.11℃、それぞれ上回った。特に3月は、20世紀平均を2.35℃上回る記録を立てた。平均月の上乗せ分を倍近く上昇した計算になる。次いで2月の気温上昇が平均を2.24℃上回り、過去2番目の記録となった。

 

 同じデータを使って、異なる手法で分析するNASAの分析でも、16年の平均気温は前年比で0.12℃高いとの結果が出ている。

 

 人為的な温暖化に懐疑的な姿勢のトランプ氏は、この研究に関連して、気候データ取得の取りやめを検討中と米メディアは伝えている。NOAAのディーク・アーント主任は「米国民の利益のために、気候の状況を正確に伝えていきたい」と話している。次期大統領の耳に届くかどうか。

 

https://www.ncdc.noaa.gov/sotc/global/201613

 https://www.ncdc.noaa.gov/sotc/global/201613