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イエメン、ソマリア等のアフリカの飢餓と飢饉、第二次大戦後最悪の事態に。2000万人以上が死に直面。国連が緊急国際支援の必要性を訴える(RIEF)

2017-03-12 15:48:43

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 国連(UN)は10日、「世界は第2次世界大戦以降最悪の人道危機に直面している」と歴史的な警鐘を鳴らした。イエメン、スーダン、ソマリア、ナイジェリアの4か国で合計2000万人以上が飢餓と飢饉で死に瀕している、として7月までに44億ドル(約5050億円)の緊急資金の拠出を呼び掛けた。

 

 今回の警告は、国連の緊急援助調整官(人道問題担当国連事務次長)のスティーブン・オブライアン(Stephen O’Brien)氏が、緊急事態に陥っている国々を訪問、その現状を安全保障理事会に報告する形で発した。

 

 同氏によると、「イエメンでは国民の3分の2に当たる1800万人以上が危機に直面している。そのうち700万人以上は激烈な食料不足で刻々と状況が悪化している」と指摘した。

 

 国連の統計によると、内戦が続くイエメンでは、サウジアラビア主導のアラブ連合軍が政権側に加担して軍事介入した2015年3月以降、7400人以上が死亡し、4万人以上が負傷した。この戦禍によって、最近の2か月だけでも、4万8000人以上が難民化した。

 

 内戦は宿敵同士であるイランとサウジアラビアの代理戦争となっており、政治的な解決が求められているが、国連の介入によっても打開の糸口はまだつかめていない。

 

 またスーダン南部では、飢饉が宣言され、750万人以上が支援を求めている。うち、340万人は住んでいた土地を追い出されたという。同地域での避難民の数は昨年は140万人とされたが、短期間で倍以上に増えている。

 

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 ソマリアでは人口の半分に当たる300万人以上が危機に陥っている。そのうち、290万人は緊急事態に瀕している。特に100万人以上の年齢5歳以下の子供たちは極度の栄養失調になっているという。

 

 ケニアでは、270万人が食料不足の状態で、このままの状態が続くと、4月までには400万人に増えそうという。ケニア政府と国連は、飢饉に直面する地域に対して、緊急の食糧援助と生活支援のため2億㌦分の支援をする予定。

 

 オブライエン氏は、今回の飢饉・飢餓の拡大は、2011年にソマリアで発生した悲劇的な事態と同様で、かつ広範に発生していると指摘。これらの多くが、人為的な紛争や政策の失敗などによって引き起こされていると強調した。

 

 同時に「飢饉は各国の強い政治的リーダーシップと、国際的な共同支援が迅速に行われれば、解決可能な問題だ」と各国の共同行動を求めた。特に南スーダンでの紛争の無条件停止を強く求めた。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=56339#.WMTjTzvyhdg