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糖尿病と気候変動に相関関係か。気温上昇とともに発症率も上昇。褐色脂肪細胞の活動に起因(?)オランダ研究チームが指摘(CNN)

2017-03-22 13:22:14

himanキャプチャ

 

 (CNN) 気候変動は災害や感染症の流行、食料不足などを通して人々の健康に影響を及ぼすが、さらに糖尿病の発症とも関係があるとの研究結果が、このほど新たに報告された。

 

 オランダ・ライデン大学の専門家が率いる研究チームが、20日発行の英医学専門誌に発表した。同専門家は「影響の大きさに驚いた」と話している。

 

 米国では現在、3人に1人が「2型糖尿病」にかかるといわれている。チームは米疾病対策センター(CDC)の報告を基に、1996年から2009年にかけて全米で発生した2型糖尿病のデータを分析。また米海洋大気局(NOAA)から、州ごとの気温の中央値を入手した。

 

 さらに世界保健機関(WHO)のデータベースから、世界の人々の空腹時血糖値や肥満に関する情報も集めた。空腹時血糖値が高い人は、糖尿病の疑いが濃いと判断される。

 

 その結果、米国ではこの期間、屋外の年間気温が摂氏1度上がるごとに、糖尿病の発生率が4%前後高くなっていたことが分かった。世界でも気温1度ごとに、糖尿病予備軍とされる「耐糖能異常」が0.17%増えていたという。

 

 同チームでは「我々の知る限り、米国内と世界で屋外の気温と糖尿病、耐糖能異常の関係を調べた研究はこれが初めて」と指摘する。ただし気温と糖尿病に相関関係が見つかったとは言っても、因果関係が確認されたわけではない。

 

 チームはひとつの仮説として、脂肪の燃焼を促し糖尿病を防ぐ作用のある褐色脂肪細胞は、気温が低い時に活性化するという点に注目した。気温が上昇すると褐色脂肪細胞が活発に働かなくなり、それが糖尿病につながるとも考えられる。

 

 一方で、体内の代謝全体に褐色脂肪細胞が果たす役割はごく小さいと指摘する声もある。96~09年には気温だけでなく、人口構成や人々のカロリー摂取量といった要因に変化があったことも考慮する必要がある。

 

 気候変動と糖尿病がどんな理由でどのように関係しているのかを確かめるためには、さらに研究を進める必要がありそうだ。

http://www.cnn.co.jp/fringe/35098475.html