竹とプラスチックを融合した「ユニペレ」で弁当箱。竹の抗菌性を活用。お弁当を食べた人は、食べながら竹害対策と温暖化対策に貢献できる(各紙)
2017-05-16 17:15:25
竹の持つ抗菌効果を活用するとともに、各地で問題になっている竹害対策も目指して、竹とプラスチックを原料とした弁当箱を、川崎市のメーカーが開発した。弁当箱は、同市内の学校や保育園等への仕出し弁当業者が利用し、「抗菌作用で食中毒対策にもなる」と好評だ。
竹とプラスチックを融合させたのは、川崎市のユニオン産業。同社はこれまで竹や草などの植物の粉末を配合した合成樹脂のポリプロピレン系のプラスチック(ユニペレ)を開発してきた。抗菌性だけでなく、燃やしてもダイオキシンが発生せず、CO2排出量も40%削減できるメリットを生かして、これまでお箸や、スプーン、食器等を生み出してきた。
ユニオン産業の「竹プラスチック製品」の原料は、川崎市内の竹林からも材料を集めている。そこで、市内の竹林の侵食によって、がけ崩れや他の植生の劣化などが発生する竹害に頭を悩ましていた川崎市と市産業振興財団が、同社の製品の普及によって、竹害対策を進めようと、市内でお弁当の製造販売を手掛ける「アポルテフードファクトリー」と同社を仲介し、竹プラスチック製のお弁当箱が実現したという。
アポルテフード側も、竹の持つ抗菌作用が、これから梅雨に向かって、お弁当の安全性を高めることにつながると、評価している。同社は一日、学校など60ヶ所に約500食のお弁当を届けるという。単なる竹の包みではなく、プラスチック製なので衛生的に再利用もできる。
地域の企業同士を仲介して新たな製品開拓と、顧客サービスの余地を生み出した市と市産業振興財団は「竹プラスチック製の弁当箱は環境にやさしいうえ、竹害対策にもつながる」と期待している。またお弁当を食べた人の環境意識を高める可能性もある。(神奈川新聞を参考にしました)