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環境NGO4団体、ミツバチへの毒性の強い「ネオニコチノイド系農薬スルホキサフロル」の登録中止を厚生労働省へ要請。賛同署名7,818筆を提出(RIEF)

2017-05-22 15:48:51

mitsubachiキャプチャ
 グリーンピースなどのNGO4団体が組織する「ミツバチと子どもをまもる実行委員会」は、厚生労働省を訪問、生活衛生・食品安全部の担当者に対して、欧米に比べて著しく日本の規制が遅れているネオニコチノイド系農薬スルホキサフロルの登録中止を求める署名7,818筆を提出した。

写真は、厚生省の担当者に署名を手渡すところ)

 緊急署名を政府に提出したのは、 NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 、 NPO法人日本有機農業研究会 、 反農薬東京グループ、NGOグリーンピース・ジャパン。

 スルホキサフロルは、ミツバチへの毒性が強いことから、製造元のダウ・アグロサイエンス社のあるアメリカでは養蜂家らが裁判を起こし、一時認可が取り消された。人の健康の安全性についても疑念が示されている。特に発達段階の胎児や乳幼児への影響が懸念されている。

 スルホキサフロルを含むネオニコチノイド系農薬については、すでにEU諸国やアメリカ、韓国など世界各国で、規制が進んでいる。しかし、日本では世界の流れと逆行するように、残留基準値の引き上げや、使用範囲の拡大が図られているという。

 厚生労働省は、同農薬の残留基準について、野菜・米・果物など85品目、肉を含めると100品目以上を設定している。この残留基準値設定に関して、2017年3月1日から30日にかけ募集されたパブリックコメントでも、約400件のコメントが集まり、ミツバチや環境への影響を懸念する意見が多くを占めた。

 mitsubachiミツバ~1

   昨年3月にもパブリックコメント537件が集まり、一時登録は保留されたが、同年10月にアメリカで使用条件を厳しくする形で再登録が決まったことから、日本でも今年の2月に登録プロセスが再開された。

 グリーンピース・ジャパンの「食と農業」担当の関根彩子氏は「スルホキサフロルは発達段階にある子どもにも悪影響を及ぼす可能性があります。私たち市民は、危険な農薬を日本の田畑や食卓に広げることを望んでいない。パブリックコメントや署名の声を政府は真摯に受け止め、スルホキサフロルの登録プロセスを直ちに中止するべき」と指摘している。

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2017/pr20170519/