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世界の環境団体で組織する「気候行動ネットワーク」、COP23で、日本と「先進国」全体に、地球温暖化対策を妨げている「化石賞」を贈呈。日本は初のダブル不名誉賞の受賞(各紙)

2017-11-10 11:43:13

cop232キャプチャ

 

  各紙の報道によると、ドイツのボンで開いている国連気候変動枠組条約第23回締約国会議(COP23)で、世界の環境保護団体で組織する「気候行動ネットワーク(CAN)」は9日、地球温暖化対策の前進を妨げている国に贈る「化石賞」を、日本と、「先進国」をそれぞれ選んだ、と発表した。日本は「先進国」にも含まれるため、不名誉賞のダブル受賞となった。

 

 化石賞は、「先進国」全体が1位で、日本が単独で2位。日本が「先進国」全体とは別に、単独で選ばれた理由は、トランプ米大統領が来日した際、2017~18年に米国と協力して石炭火力発電所と原発の建設をアジアやアフリカなどに積極的に展開することで合意を結んだため。

 

 「先進国」は、歴史的に温室効果ガスを大量に排出してきたにもかかわらず、削減目標の引き上げに消極的な姿勢をとっているため。日本は国内でも石炭火力発電所の建設を積極的に進めており、これまでのCOPでも、化石賞受賞の常連国として知られる。「環境後進国」として評価が定着しているが、報道によると、COPに参加した日本政府代表団は「民間団体がやっていることの一つ一つにはコメントしない」などとコメントしているという。

 

左はトランプ大統領のお面をつけたNGOの関係者
左はトランプ大統領のお面をつけたNGOの関係者

 

 あるいは、不名誉な賞でも、賞をもらえれば日本が目立って存在感がある、と思っているのかも。

 

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COP23の会場前では、、世界各国のNGOが日本の石炭火力発電所の新増設や海外輸出を名指しで批判する抗議活動も展開された。抗議活動は、石炭火力発電に反対する日本やフィリピン、ドイツなど各国の環境NGOの共催によるもので、「END COAL(石炭を終わらせろ)」などの横断幕を掲げ、「化石燃料での環境汚染をやめろ」とシュプレヒコールを繰り返した。

kasekiキャプチャ

 報道によると、日本から参加した環境NGO「FOEジャパン」のメンバーは「主要7カ国(G7)で日本は石炭火力への公的支援が最も多い。パリ協定の目標達成に向け、温室効果ガスの削減を進める一方、海外へ石炭火力を輸出しては、結局排出量を増やすだけ。日本の姿勢が国際的に批判を浴びている現状を知ってほしい」と訴えた。

https://mainichi.jp/articles/20171110/ddm/012/030/058000c