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太陽光発電と微生物処理を組み合わせた「完全自動水洗トイレ」開発。電源も、上下水道も不要。九州・福岡の「ニシム電子工業」(RIEF)

2018-02-11 09:43:27

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   太陽光を利用した独立電源システムと、微生物分解処理を組み合わせた「完全自動処理型水洗トイレ」が登場する。電力関連事業を展開する福岡市のニシム電子工業(福岡市)が開発した「TOWAILET(トワイレ)」で、2018年度中に販売を開始する。

 

 同製品は、電源や水を調達できないところでも設置できることから、東京オリンピックなどの大型イベント開催時の仮設トイレのほか、公園や観光地、非常時の避難所となる公的施設、船舶などの常設トイレとして販売していく方針。販売価格は標準タイプで700~800万円程度の予定。

 

 「トワイレ」は、太陽光発電を利用する独立電源システムで駆動する。約3㌧のタンクに貯めた水で汚物を流し、微生物によって分解処理を行う。同技術は特許出願中で、処理後に残った汚泥が小さく分解されるまで処理を繰り返すことから、10年などの長期利用しても汚泥がほとんど出ないという。

 

 また、フィルター処理で大腸菌や不純物を取り除き、水は再利用できるため、上下水道も必要ない。1日当たりの処理能力は約300回で、設備のメンテナンスは年1回程度で済むとしている。

 

 外形寸法は一人用が2140×2920×2510mm、重量は1.5㌧。電源は出力1.5kWの太陽光パネルと8kWhのリチウム蓄電池を組み合わせた独立電源システム。タブレット端末やPCからトイレの稼働状況を確認したり、緊急呼び出しなどを確認できる機能も備えている。このほか、男女別の2人用もある。

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  トワイレ開発は、東日本大震災を受けて、熊本赤十字病院と九州電力が太陽光などの自然エネルギーのみで機能を維持できる「スマートシェルター」の研究開発に取り組み、その研究を、九州電力グループのニシム電子工業が引き継ぎ、今回の製品化にこぎ着けたという。

 http://www.nishimu.co.jp/news/2018/02/towailet.html