HOME4.市場・運用 |携帯電話やデジカメなどの使用済小型家電から回収した都市鉱山の「金」で、京の夏の風物詩、祇園祭の山鉾の金工品の修復・新調に充当(RIEF) |

携帯電話やデジカメなどの使用済小型家電から回収した都市鉱山の「金」で、京の夏の風物詩、祇園祭の山鉾の金工品の修復・新調に充当(RIEF)

2018-02-15 23:20:25

kyoto2キャプチャ

 

 京都市は、市民から集めた携帯電話やデジタルカメラなどの使用済小型家電から回収した金を使って、古都京都の夏の風物詩である祇園祭で巡行する山鉾の金工品などを修復・新調する取り組みを開始する、と発表した。

 

 毎年7月に行われる祇園祭のハイライトは街を練り歩く山鉾巡行。その山鉾は、前方の左右に飾る金幣や柱に取り付けられた金具、飾り幕の糸などに金が使われるなど豪華に装飾されている。これらの金工品をリサイクル金でまかなおうというものだ。文化財にリサイクル金を用いるのは全国でも初めて。

 

 同事業は、まず京都市が家庭などから小型家電を回収し、それをリサイクル事業者の「アステック入江」(北九州)が解体・金の抽出作業を担う。さらに京都市産業技術研究所よりリサイクル金の使用や金工品への加工についての技術協力を受けて、山鉾の金装飾部分の修理や新調に充当するという。

 

 実際の作業は、今夏7月の祇園祭が終了してから、来年までの間に行う予定。約200年ぶりの巡行復活を目指している「鷹山」の装飾品に使う計画もあるという。山鉾は主に国や市の補助金によって修理・維持されている。使用する金材料は市場価格の変動を受けるが、リサイクル金を使うことで安定的に調達できる期待もある。

 

kyoto1キャプチャ

 

 山鉾連合会の岸本吉博理事長は「豪華絢爛(けんらん)な巡行を長く続けていく上でありがたい。貴重な資源なので、大切に使いたい」と話した。

 

 京都市はこれまでも2017年度には、使用済小型家電から回収した金を100%使用して、京都マラソン優勝メダルを作成している。アステック入江は、2014年8月から都市鉱山リサイクル事業を開始している。同社は、薬液中に廃電子基板を浸けることで他の金属を溶かし金だけを溶かさずに回収する技術を持ち、専門家から高い評価を得ている。

 

kyoto3キャプチャ

 

 京都市では、ピーク時からのごみ半減に向けて、市民・事業者の理解と協力の下、2R(リデュース・リユース)と分別・リサイクルの促進の2つを柱に、ごみ半減を目指す「しまつのこころ条例」と、これを具体化した「新・ごみ半減プラン」を推進している。

 

 この結果、市内の小型家電回収実績は、2017年度は前年度比1.2倍の180㌧を見込んでおり、14年度の24㌧から7.5倍にも増えている。回収拠点は市内の公共施設や駅など54カ所にあり、協力電器店94店でも回収を受けつけている。

 

http://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000231781.html