HOME11.CSR |2017年の「腐敗認識指数」、最もクリーンな国は、前年同様ニュージーランド。最下位はアフリカのソマリア。日本は20位でそこそこだが、アジアで3番手。NGO「トランスペアレンシーI」の調査(RIEF) |

2017年の「腐敗認識指数」、最もクリーンな国は、前年同様ニュージーランド。最下位はアフリカのソマリア。日本は20位でそこそこだが、アジアで3番手。NGO「トランスペアレンシーI」の調査(RIEF)

2018-02-22 15:46:57

 

  世界各国の腐敗や汚職を監視する非政府団体(NGO)「トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency Internatinal:TI)」は、2017年版の「腐敗認識指数(Corruption PErceptions Index 2017:CPI」を公表した。それによると、もっともクリーンな国はニュージーランド、もっとも評価が低かったのがアフリカのソマリア。大半の国の汚職撲滅の取り組みはほとんど進歩がみられなかったとしている。日本は20位、米国18位。

 

 調査はTIが2012年から毎年実施している。対象国は180カ国で、汚職、公的資金の流用、公共施設の私的利用、市民社会でのネポチズム(縁故主義)の状況等を専門委員会が評価し、100点満点で配点する仕組み。

 

 その結果、平均点は43点。3分の2以上の国が過半の50点を下回った。こうした低評価は、珍しいことではなく、ここ数年の傾向という。にもかかわらず、大半の国において改善の傾向や努力が見られない、とTIは指摘している。多くの国で改善の動きが見られない中で、汚職撲滅への取り組みが少し目立ったのは、セネガルやコートジボワール、英国など。

 

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 スコアは、トップのニュージーランド(89点)に続いて、デンマーク(88点)、フィンランド(85点)、ノルウェー(同)、スイス(同)と、欧州勢で占められる。ニュージーランドは昨年に続く首位の座をキープした。

 

 ついで、6位にシンガポール(84位)、スウェーデン(同)が続く。総じて欧州勢が高い評価で、地域別でも欧州は平均66点と他の地域を上回っている。地域別でスコアが悪いのは、サブサハラ(32点)、東欧と中央アジア(各34点)。

 

 日本は20位でそこそこの評価だが、アジアではシンガポール(6位)、香港(77点)13位に続いて、3番目。その他の主な国では、英国が同率8位、ドイツ12位、韓国51位、中国同率77位、ロシア同率135位、北朝鮮が同率171位など。点数が一ケタだったのは最下位のソマリア(9点)だけ。

 

 TIは今回の調査を踏まえて、各国に対して5つの勧告を行っている。まず1つ目の勧告は、各国政府、ビジネス界に対して、自由な言論の促進、独立したメディアの確保、政治的な少数意見の尊重、オープンで参加型の市民社会の形成を目指すべき、としている。

 

 第2の勧告では、各国政府は伝統的メディアだけでなく、ネットなどの新しいメディアに対しても規制を最小化し、ジャーナリストが暴力や抑圧の恐れなくなく働ける環境を確保すべき、と求めている。さらに国際的な援助機関は、開発援助や国際機関へのアクセスに対応した報道の自由を考慮すべき、としている。

 

 勧告の3つ目。市民社会と各国政府は、情報へのアクセスを保証する法整備を促進すべき。情報へのアクセスの保証は、透明性や説明責任を高め、汚職の機会を削減する。単に法整備をするだけでなく、そうした保証が実効性ある形で運営されることに取り組むべきだ。

 

 4つ目の勧告。活動家や各国政府は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)によって提起される活動をとらえて、国レベル、グローバルレベルでの改善を促していくべきだ。特に各国政府は、情報へのアクセスと、基本的な自由の保護、そうした政策が国際的な合意とベストプラクティスと整合することを確保すべきである。

 

 最後の勧告。各国政府とビジネス界は、公的に重要な情報を、誰でも利用できるオープンデータのフォーマットで、積極的に開示すべきだ。それらの開示対象情報には、政府予算の詳細情報、企業の所有者情報、公共調達、政党への助成金等のファイナンス情報等が含まれる。これらの情報の開示は、ジャーナリストや市民社会、、さらに汚職等の影響を受けるコミュニティにとって、より効率的に汚職の状況を把握することを容易にさせる。

https://www.transparency.org/news/feature/corruption_perceptions_index_2017#research