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再生可能エネルギーの固定価格買取り制度の「売電権」の売却利益で脱税容疑、名古屋の太陽発電コンサル会社を家宅捜索(各紙)

2018-02-27 16:17:40

datsuzeiキャプチャ

 

 各紙の報道によると、再生可能エネルギー普及のために経産省が導入した固定価格買取り制度(FIT)による太陽光発電の「売電権」取引で得た所得などを隠して脱税した容疑で、名古屋地検特捜部が27日、名古屋国税局と合同で太陽光発電のコンサルティング会社「アイビックサービス」(名古屋市中川区)の関係先を法人税法違反(脱税)の疑いで家宅捜索した。

 

写真は、脱税容疑企業の関係先に立ち入り調査に入る名古屋地検の係官ら)

 

 関係者によると、アイビック社は2013年度に、FIT制度を利用、太陽光発電で得た電力を電力会社に売る権利(売電権)を取得し、その権利をその後、大手リース会社に約20億円で売却した。

 

 国税当局によると、こうした売却収入は、本来なら取引が完了した14年7月期の1年間で一括して計上する必要がある。ところがアイビック社は、FIT制度の適用期間と同じ20年に分割する形で経理処理していたという。当局はこうした経理処理は、本来の所得を大幅に圧縮する手口で、法人税脱税の容疑に該当するという。

 

 アイビック社は自らは太陽光発電などの設備は所有していなかったが、FITに基づいて高い価格での売電権を確保、当初から転売目的で制度を利用したとみられる。2012年に始まったFIT制度での太陽光発電価格(出力10kW以上)は当初、1kWh当たり40円という高値で、内外から市場参入者が殺到した。その後、段階的に引き下げられ、2018年度は半額以下の18円になる。

 制度発足当初は、実際に再エネ事業はしないにもかかわらず、高い売電価格を目当てにした企業の進出も多数あり、「制度運営の欠陥」と指摘された。名古屋国税局は16年7月に同社に強制調査(査察)に入っていた。