オランダのベンチャー企業が空飛ぶ自動車開発、来年にも販売。ジャイロプレーンの技術で、安全飛行が売り。1機4000万円(RIEF)
2018-03-07 22:10:53
オランダのベンチャー企業のPAL-Vが開発した「空飛ぶ車」が6日、公開された。地上では三輪で走り、空中ではヘリコプターのような形状の2人乗り小型車で、走行時には羽根の部分が折り畳まれる仕様だ。販売価格は約30万ユーロ(約4000万円)からで、来年にも納車を開始する予定。「空飛ぶ自動車」は複数の企業が開発を進めているが、販売にまでこぎ着けるのは初めてという。
開発したのは、2007年創業のPAL-V社。このほどジュネーブの自動車ショーで公開された。三輪で走るヘリコプターのような形状の2人乗り小型車で、走行時には羽根の部分が折り畳まれる。エンジンは軽飛行機で使われるオーストリアのロータックス社のエンジンを2基搭載している。
通常は離陸には90m~200mの距離があれば大丈夫。着陸は緊急の場合は30mでも可能という。ただヘリコプターのように垂直に離着陸はできない。飛行速度は時速50kmから180kmで、比較的ゆっくり目だ。ジャイロプレーンなのでヘリコプターよりも安全飛行ができるという。自動車から飛行機へのモードの変更は5~10分で可能。
PAL-Vの安全性は、欧州のEASA、米国のFAAという厳格な両安全基準を満たしている。運転には当該国の認可が必要なほか、パイロット免許も必要となる。ジャイロプレーンの免許は通常、30~40時間の教習で取得できるという。
欧州のように、陸路は道路網が整備され、平坦なところが続いている地域では、威力を発揮しそうだ。ただ、4000万円という価格は一般には手が届かないレベル。富裕層のステータスシンボルという感じか。