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雪国での雪下ろし不要の融雪機能付き太陽光発電システムを、福島・須賀川市の環境システム会社が開発。発電効率もアップ(RIEF)

2018-03-15 14:48:08

 

 今年も北海道や東北などでは豪雪被害が起きたが、雪国でも安定的に太陽光発電で発電ができる「融雪機能付き太陽光発電システム」が開発、発売された。福島県須賀川市の「環境システムヤマノ」が開発したもので、屋根全体の融雪が可能となる上に、発電も可能となることから、雪国の長年の苦労・課題の克服につながると期待される。

 
 降雪量の多い地域では、人力による除雪や融雪ヒーターなどの利用も行われている。だが、除雪作業中の転落死は毎年報道されるほか、ヒーター等による融雪は融雪費用が増えるほか、重油等の化石燃料による不凍液循環融雪システムではCO2排出問題にもつながる。

 

 こうした問題を一気に解決しようと、同社は、住宅の南面などの日差しの強い屋根には、単結晶太陽光パネルを、北面など日差しの弱いところや、単結晶太陽光パネルを設置しづらい場所には、アモルファス・シリコン発電シートを敷設して、屋根全体をカバーする仕組みを作り上げた。アモルファス発電シートは単結晶パネルに比べて発電量は少ないが、弱い光でも発電でき、シートなので設置場所を選ばない利点があり、全体の発電効率の引き上げに貢献する。

 

sukagawashiキャプチャ

 降雪時には、降雪センサーが働いて、自動感知し、融雪制御システムが作動、屋根の片側半分をヒーターの発熱で雪を融かし、一定時間後には残りの半分部分を融雪する。ヒーターの費用は太陽光発電の売電でまかなえる。システムの施工費は、1㎡当たり6万~8万円(屋根形状により異なる)。これも太陽光発電の売電費用でまかなえるという。

 

 降雪作業中の落下等による死亡事故は、2014年度の大雪被害時には、全国で65人の死者を出し、そのうち52人が65歳以上だった。降雪地帯の高齢化も雪下ろし作業の困難さに拍車をかけている。

 

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