HOME12.その他 |タイ政府、欧米等からの電機電子機器廃棄物の輸入禁止措置を導入。年初の中国の禁止措置の影響で、行き場を失った廃棄物が集中(RIEF) |

タイ政府、欧米等からの電機電子機器廃棄物の輸入禁止措置を導入。年初の中国の禁止措置の影響で、行き場を失った廃棄物が集中(RIEF)

2018-06-22 16:43:51

Thailandキャプチャ

 

  タイ政府は21日、有害物質を含む電気電子機器廃棄物の輸入を禁止措置をとると発表した。禁止対象には廃プラスチックも含む。タイをはじめとする東南アジア諸国等では、中国が今年初めから実施した廃棄物輸入禁止策の影響で、行き場を失った欧米日からの廃棄物の輸入が増加、電気電子機器廃棄物等に含まれる有害物質の処理問題が急浮上していた。

 

 (写真は、タイ警察が摘発した不正輸入の廃電気電子機器類)

 

 タイ政府は、先月、不正に輸入した電子廃棄物の処理工場を立ち入り検査するなど取締りを強化している。今回、有害物質を含む電気電子機器廃棄物の輸入を全面禁止する措置をとると宣言した。自然資源環境大臣のSurasak Karnjanarat氏は「輸入禁止を含む法改正を主導する。違法かどうかの証明が出来ない場合は、首相権限で対応することになるだろう」と述べた。

 

 また国防省のスポークスマンは、有害廃棄物処理の国際基準に該当しない国内の電気電子機器廃棄物輸入業者の免許を、直ちに停止することも明らかにした。目安とする国際基準は、有害廃棄物の輸出入とその処理を規制するバーゼル条約に基づくものとする。

 

 電気電子廃棄物には、半導体などに含まれる水銀、カドミウムなどの有害物質が含まれている可能性が高い。また、配線や梱包等に使われるプラスチックなどにも有害物質が含まれ、焼却によって大気中に拡散するリスクが指摘されている。輸入廃棄物処理業者は廃棄物中の貴金属等を取り出すため、分別せずに焼却処分にするため、周辺地域での大気汚染をはじめ、水質、土壌等の汚染リスクにさらされている。

 

 タイでは、特に中国が昨年7月に打ち出した廃棄物輸入禁止策が今年1月から実施に移された後、欧米などの廃棄物が不正に持ち込まれるケースが増えているという。中国では2015年のデータで年間約5000万㌧の廃棄物が輸入されていた。特にEUは域内で収集したプラスチックゴミの半数は輸出していたが、そのうち85%は中国が引き受けていたという。こうした膨大な「廃棄物の物流」が変化を強いられ、タイ等に流れ込んでいる。http://rief-jp.org/ct12/76242

 

 米国NGOの「 Basel Action Network」は、「今、タイや他の東南アジア、南アジア諸国で起きていることは、中国が過去20年にわたって危険な廃棄物の処分場となってきたことのツケが表面化したもの」と指摘している。タイ警察は、先月だけで30ヶ所以上の不正処理工場を摘発しており、今月に入ってからも摘発は続いている。タイでの不正処理工場の中には、中国人資本のものが少なくないという。

http://www.freepressjournal.in/world/thailand-preparing-total-ban-on-import-of-e-waste/1301916