米シアトル市、市内レストラン等での使い捨てプラスチックストローの使用を今週から禁止。全米初の「ストローレス都市」に。廃プラスチック問題を重視。ニューヨーク等も追随の構え(RIEF)
2018-07-04 00:21:16
米西海岸のシアトル市が今週から、市内にある約5000のレストランやカフェ等での使い捨てプラスチックストローの使用禁止に踏み切った。プラスチック廃棄物の海洋汚染が問題になる中で、プラスチックストローの使用禁止に踏み切ったのは全米の主要都市では初めて。同市はスターバックスコーヒーの発祥地で、市内のスタバからもプラスチックストローが消えることになる。
禁止されたのはプラスチックストローだけでなく、食品等を入れる使い捨てのプラスチック容器等も対象になる。食品や飲み物を販売する事業者はすべて、今回の規制対象となる。違反した場合には罰金250㌦(約2万8千円)が科される。
カリフォルニア州の小規模自治体で、すでにレストラン等でのプラスチックストローの提供を停止しているところはあるようだが、主要都市としてはシアトルが初めての「ストローレス都市」になった。ニューヨークやサンフランシスコでも追随の動きがある。
市の担当者は「環境配慮都市のシアトルは、全米の環境リーダーになった」と胸を張っている。使い捨てプラスチック類の使用を禁じることで、市内から出る廃棄物量の減量化、埋め立ての減少も期待できる。ストローの代用品には、紙製や生分解性のものがあるが、まずは、ストローを飲食品と一緒に提供しない習慣づけをし、ストローを使う場合は、コストの安い紙製を推奨している。
プラスチック廃棄物の減量化の試みは、欧州でも広がっている。英国のテレサ・メイ首相は4月に、使い捨てプラスチックストロー等の販売を禁止する計画を明らかにしている。同首相は「プラスチック廃棄物問題は、世界が直面する最大級の環境問題の一つだ」と危機感を強調した。
シアトルでは市民運動として「ストローレス・イン・シアトル」というキャンペーンが昨年秋から展開され、賛同した100以上の企業・事業者が230万本の使い捨てストローを回収するという成果をあげている。市民の自主的な活動の成果のうえに、自治体が一歩踏み出す判断に踏み切ったわけだ。日本の自治体も参考にしてもらいたい。