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ハワイで日焼け止め、2021年から使用禁止に。含有する化学物質がサンゴ礁に有害な影響を与えるとの理由。日本の夏にも影響?(RIEF)

2018-07-04 14:05:14

hawaiiキャプチャ

 

 ハワイで日焼け止めクリーム等の使用が禁止される。ハワイ州のデービッド・イゲ知事は、海水浴や日光浴の際に使用する紫外線吸収剤の化学物質オキシベンゾンとオクティノクセイトを含む日焼け止めが、サンゴ礁に影響を与えるとして、2021年1月以降、ハワイのすべてのビーチでの使用を禁じる州法に署名した。日焼け止めの禁止は、全米で初めてとなる。

 

  同州によると、日焼け止めのクリーム等に含まれるオキシベンゾンとオクティノクセイトは、日光浴や排水処理等によって海中に流れ込むと、サンゴを白化させたり、変形、遺伝子損傷を引き起こす。最終的には、サンゴの死滅につながるという。Haereticus Environmental Laboratoryの調査結果に基づく。

 

 また、これらの化学物質は皮膚から体内に吸収され、動物実験結果ではホルモン異常などを引き起こす報告もある。こうしたことから、提案された法案は5月にハワイ州議会を通過していた。

 

 Haereticus Environmental Laboratoryの代表のクレイグ・ダウンズ氏は、「オキシベンゾン等は特に、幼生のサンゴにとって有害に働く。幼生のサンゴは、親世代のものよりも数千倍も影響を受け易く、日光浴での使用が増えれば、新たなサンゴ世代が育たず、その地域のサンゴ礁は徐々に死滅し、縮小してしまう」と説明している。

 

 しかし、同法に対しては、日焼け止め等の商品を販売している業者からは強い反発がある。日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などを会員とする全米業界団体では、「日焼け止めに使われている安全で効果的な2の成分が禁止された。根拠となっているのは、そうした成分がサンゴ礁にとって有害だと主張する1つの研究結果にすぎない」と批判している。ハワイでの日焼け止め使用禁止が実行されると、全米だけでなく、世界中に広がる可能性がある。

 

  一方、有効な日焼け止めを使用できないと、日光浴客や、海洋で仕事をする人たちが日航の影響で皮膚がんを発生させるリスクが増大することを懸念する声もある。化学物質ではなく、安全な天然資源での日焼け止めを開発する以外にないようだが。

 

https://www.capitol.hawaii.gov/measure_indiv.aspx?billtype=SB&billnumber=2571&year=2018

https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00244-015-0227-7