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スポーツ用品大手アディダス、2024年までに製品に使用するポリエステルなどのプラスチック原料を再生品に全面切り替え。顧客ともリサイクル・再生の重要性意識を共有へ(RIEF)

2018-07-19 15:36:56

adidasキャプチャ

 

 ドイツのスポーツ用品大手アディダスは16日、同社の靴や衣料品に使用するプラスチック素材について、2024年までにバージン(新品)プラスチック原料の使用を全面的に中止し、すべての原料を再生品に切り替えると公表した。海洋汚染の激化で問題になっているプラスチック廃棄物を減らすためのリサイクル・再生意識を、同社の顧客にも促すため。

 

 対象となるプラスチックにはポリエステルも含まれる。ポリエステルは軽量で乾きが速く、Tシャツからブラジャーまであらゆるスポーツ衣料に使われている。現在、同社のポリエステル使用は全製品の50%に上っているという。

 

 同社は今年のリサイクル・トレーナーの数を500万着と見込んでいる。来年には倍増の1100万着に増やす計画だが、それでも年間のフットウェア生産の3%に過ぎない。同社のグローバルブランド担当の責任者、Eric Liedtke氏は「脱プラスチックへの移行は一夜にしてはできない」と、段階的な移行の必要性を強調している。

 

adidas2キャプチャ

 

 現時点では、再生ポリエステルはリサイクル費用がかさむので、バージン・ポリエステル原料に比べて、10~20%割高となる。しかし、より多くの企業が再生ポリエステルを利用すると価格ダウンが起きて、価格差はかなり縮小するとみている。またアディダスはコスト削減策等も加味して、再生ポリエステルの採用でも製品価格の上昇につながらないようにしたい考えだ。

 

 またフットウェア製品だけでなく、同社のオフィスや小売店舗、倉庫、流通センターなどで使用するプラスチック製品等についても、今年以降、バージンプラスチックの使用をやめる。こうした効果によって、年間約40㌧分のプラスチックが同社グループで節約されることになるという。

 

 同社は、米環境保護団体パーリー(Parley)と共同で、海に廃棄されるプラスチックごみから「パーリーシューズ」を開発しているが、同シューズの販売数も、昨年の100万足から今年は5倍の500万足に伸びる見通し。http://www.parley.tv/updates/2018/4/23/adidas-parley-and-marc-ter-stegen-launch-ultraboost-parley

   グローバル企業の脱プラスチックへの取り組みとしては、スターバックスがプラスチック製ストローの廃止紙、ストローレスのカップに切り替えることを表明したほか、ハンバーガーのマクドナルドも英国とアイルランドでプラスチックストローを紙製品に代替させる対策を試行中。ヒルトンやフォーシーズンズ、ハイヤットなどのホテルチェーンも、客室等で使用するプラスチックストローの廃止を目指している。また、家具のイケアは傘下の店舗とレストランから使い捨てプラスチックを段階的に排除する計画を発表した。

https://www.earth.com/news/adidas-committed-recycled-plastic/