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2018年の「アース・オーバーシュート・デー」は8月1日。人類による地球の資源消費先食い状態へ。年間では地球1.7個分の消費に相当(RIEF)

2018-07-28 08:36:16

 

   国際シンクタンク「グローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)」 (米国)は、8月1日が、2018年の「アース・オーバーシュー ト・デー」であると発表した。世界の人類の生活を支えるには地球1.7個分の 自然資源が必要で、アース・オーバーシュート・デーを境に、人類による自然資源の消費が、地球が持つ一年分の資源の再生産量とCO2吸収量を超えることを意 味する。

 

 8月1日以降、年末までは、人類の生活は、将来の地球の生態系 サービスの「原資」を先食いする「赤字状態」に入ることになる。日本の財政赤字がGDPの2倍以上に累積していることと似ている。

 

 GNFによる「アース・オーバーシュート・デー」の告知は、人間が地球の許容量を超えて資源利用していることを一般の人々に広く知らせ、改善をうながすことを目的にしている。GNFは人間の自然資源に対する需要と環境へ の圧力を示す「エコロジカル・フットプリント」のデータを基に、今年の赤字への転換日を決定した。

 

footprint1キャプチャ

 

 人口と自然資源への需要は世界的に増加し続けており、1970年代初頭には、温室効果ガスの排出量と海や森か らの資源需要量が増大し、地球の生物生産力(バイオキャパシティ)を上回るようになった。「アース・オーバーシュ ート・デー」は2000年には9月下旬、17年は8月3日だったが、今年は過去最も早く、去年より2日早まった。

 

 特に化石燃料によるCO2排出による環境 負荷を示す「カーボン・フットプリント」は、エコロジカル・フットプリントの約60%を占める。GFNの試算によれば、 カーボン・フットプリントを現状より50%削減できると、オバーシュート・デーは93日(約3カ月)分、 遅らせることができるという。

 

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  アース・オーバーシュート・デーは、国別の算出もある。日本は5月10日で、すでに約2か月半も前に「赤字」に入っている。仮に、世界中の人が日本人と同 じ生活をしたら、地球2.8個分の資源が必要で、5月10日には世界全体がオーバーシュートに入ることになる。

 

 WWFジャパンの清野比咲子氏は「日本の1人当たりのエ コロジカル・フットプリントは、世界平均と比べ1.7倍。アース・オーバーシュート・デーも3カ月ほど世界平均より早い。このことは、日本人の生活が地球の自然環境へ与える負荷が、より大きいということ。健康で文化的な生活を維持しながら、環境負荷の少ない持続可能な社会へ、日本が世界の手本となるように、地球1個分の暮ら しを一緒に始めよう」と呼びかけている。

 

https://www.footprintnetwork.org/