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すかいらーくグループ、2020年までに国内外3200店でプラスチック製ストロー廃止を宣言。先行してグループの「ガスト」で年内にも実施へ。日本初の取り組み(各紙)

2018-08-16 18:47:29

Gustキャプチャ

 

  各紙の報道によると、ファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングス(HD)は2020年までに、国内外3200店すべてでプラスチック製ストローの利用をやめる方針という。まず年内に、ファミレス「ガスト」の全1370店で廃止する。環境破壊や健康への影響からプラスチック製品の大量使用に懸念が高まっており、内外での規制の強化の動きを先取りした形だ。日本の外食大手でプラスチックストロー廃止を決めたのは、同グループが初めて。

 

 日本経済新聞が電子版で報じた。すかいらーくHDは日本と台湾に店舗を持ち、両国での店舗を対象とする。先行して年内に、プラスチックストローを廃止する日本の「ガスト」では、来店客が自由に飲み物を取れるドリンクバーに配備していたストローを撤去し、グラスだけの提供とする。

 

 ただし、幼児や障がい者など、ストローが必要な来店客や、スムージーなどストローを使うメニューには提供する。その場合も、既存のプラスチック製品は使わず、代替品の提供を検討しているという。

 

 報道によると、すかいらーくグループがこれまで使用してきたプラスチック製ストローは年間1億500万本、このうち「ガスト」では6000万本を使っている。これまでは顧客が使用したストローは、各地域の分別方針に則して処理してきた、としている。

 

 経済協力開発機構(OECD)によると、世界のプラスチックごみ発生量は15年に3億200万㌧で、1980年の6倍に増えている。廃プラスチックごみは、海に流出して生態系を脅かしているほか、太陽光や波の影響を受けて微細化したマイクロプラスチックが魚類などを経由して、人体に摂取されていることも明らかになっている。健康影響については明確な分析データは示されていない。

 

 廃プラスチック対策は各国で急速に広がっている。最近になっても、フランス政府がリサイクル不可のプラスチック包装材に使用に罰金を課す方針を決めるほか、2020年にはプラスチックストローやカップなどの容器類の使用を全面禁止する方針を打ち出している。http://rief-jp.org/ct12/81812

 

 また、チリ、ニュージーランド、ドミニカなど、相次いで廃プラスチック規制を強化する国が増えている。また企業も、コーヒーチェーン店のスターバックスが2020年までにプラスチック製ストロー全廃を宣言したほか、米マクドナルドは英国とアイルランドで紙製に切り替えるなどの方針を宣言している。http://rief-jp.org/ct12/81737 

 http://rief-jp.org/ct12/81701?ctid=65

 

 これまで、日本では政府の規制の動きがみられないことから、大手チェーン店でのプラスチック製品使用禁止の動きはなかった。今回のすかいらーくHDが全廃を決めたことで、他のライバルチェーン店なども「環境への優しさ」で競い合うことが期待される。企業の取り組みを支援し、さらには代替プラスチック製品の開発促進のためにも、日本政府が明確な規制と開発促進の姿勢を打ち出すことが求められる。