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日清食品の安藤社長、カップ麺容器をプラスチック製から生分解性プラに、今後2~3年で切り替え。世界ラーメン協会でも同様の方針。生分解プラの開発促す(各紙)

2018-08-26 16:04:27

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  各紙の報道によると、日清食品ホールディングス(HD)の安藤宏基社長は、現在は紙や発泡スチロールを使用しているカップ麺の容器などを、自然に分解される「生分解性プラスチック」に、2~3年後をめどに順次切り替えていく方針を語った。プラスチックごみによる海洋汚染が深刻化しており、環境保護の取り組みを強化する。

 

 (写真は、世界ラーメン会議で、生分解性プラスチックの利用方針を発表する日清食品の安藤社長(真ん中))

 

 安藤社長は、24日に東京で開いた日清食品の「チキンラーメン」誕生60周年を記念する記者会見で、明らかにした。今後の商品開発について、「栄養」と「環境保全」を重視すると述べ、カップ麵製品の環境負荷を低減するため、「袋麺の袋やカップ麺のカップなどを生分解性の素材へ置きかえていく」と語った。

 

 安藤氏が会長を務め、各国の即席麺メーカーが加盟する世界ラーメン協会も前日の23日に大阪で開いた会議で、生分解プラスチックの活用を目指す方針を示した。業界として意思表示をすることで、素材メーカーに価格低下などの取り組みを促す狙いもありそうだ。

 

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 生分解性プラスチックは微生物などにより自然に分解されるため、「紙よりも環境に優しい」(同社)。しかし現在は、生産量が少ないため価格が高く、現行の価格で容器を置きかえた場合、カップ麺1個あたり数10円の値上げになってしまうという。

 

 このため安藤社長は「すぐに全面置きかえたいが、問題は価格。生分解プラスチック製容器の生産数量が増えればそれだけ安くなるので、今後、積極的に採用し、包材メーカーには早く安くしてもらいたい」と要請した。

 

 日清はこれまで環境保護対策として、2008年に、「カップヌードル」の容器を紙容器化に切り替えるとともに、並行して容器材質の見直しや、冷凍食品の簡易包装などに取り組んできた。これまで、「日清ラ王」「日清デカブト」「日清焼そば」の3商品だけで化学品由来のプラスチック使用量を少なくとも年約18㌧減らしているという。

 

 海洋汚染の元凶となっている廃プラスチックを減らす取り組みは、世界的に広がりをみえており、特に外食産業では、米スターバックスや国内のファミレス大手・すかいらーくHDなどが、プラスチック製ストローの廃止を表明している。カップ麺の容器の廃棄は世界中でみられるだけに、元祖カップヌードルの「プラスチック離れ」の英断が期待される。

 

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