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三菱ケミカル、生分解性ストローの試作に成功。タイ企業との合弁で製造販売へ。使い捨てプラスチック製の代替品として、グローバルに提供を目指す(RIEF)

2018-09-05 15:47:53

PBSキャプチャ

 

 廃プラスチック対策で、グローバル規模でプラスチックの使い捨てストローの使用停止・代替品へ切り替える動きが起きているが、三菱ケミカルは生分解性プラスチック「バイオPBS」を用いたストローの試作に成功した。

 

 PBS(ポリブチレンサクシネート)は、自然界の土中の微生物の力で水と二酸化炭素に自然に分解される生分解性プラスチック。 一般的な生分解性樹脂の中では高い耐熱性を持ち、繊維などとの相溶性も高いという特徴を有している。

 

 これら特色を活かし、単体では発揮できない性能を他樹脂、素材との複合材として実現できる。ただ、単体で使用する場合の強度などが課題とされてきた。

 

 PBS2キャプチャ

 同社では、タイの合弁相手であるPTTグローバルケミカルとの折半出資でPTT MCCバイオケミ社を設立している。同社は2016年から植物由来のコハク酸と1,4ブタンジオールなどからなるバイオPBSを製造・販売している。今回のバイオPBS製ストローは、PBSをポリ乳酸系樹脂と組み合わせ、強度の課題を克服して実現した。

 

 使い捨てプラスチックストローは、廃プラ対策の象徴とて、世界中で使用停止の動きが起きている。代替に、紙製などの採用が進むが、強度の面で課題がある。中にはスパゲッティのパスタ製ストローなども登場している。

 

 今後はプラスチックストローの撤去と代替品の確保を目指している世界的な大手コーヒーチェーンやファストフードチェーンのほか、ストローメーカーなどに試作品をサンプル提供して、販路を確保する予定。さらにストローだけでなく、樹脂の用途を広げてバイオ素材の拡販を促進していく方針という。

 

  日本の化学会社では、カネカが兵庫県高砂市にある高砂工業所で製造する、100%植物性由来の生分解性プラスチック(商品名:『カネカ生分解性ポリマーPHBH ® 』)の製造設備を大型化を決めている。PHBHは30度の海水中だと、6カ月以内に90%以上が水と二酸化炭素に分解されるという。http://rief-jp.org/ct12/81648

 

https://www.m-chemical.co.jp/products/departments/mcc/sustainable/product/1200364_7166.html