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気候変動対策を推進するグローバル主要都市連合の「C40」、石炭火力発電からの「都市の離脱」を促す「C40 Divest/Invest Forum」立ち上げ。日本メンバーは東京都、横浜市のみ(RIEF)

2018-09-12 08:25:33

C401キャプチャ

 

  気候変動問題に対処するグローバル都市の連携組織である「C40」は、12日からサンフランシスコで開く「グローバル気候行動サミット(GCAS – Global Climate Action Summit)」に先立ち、都市主導で化石燃料電力等からの離脱を進める「C40 Divest/Invest Forum」の立ち上げを宣言した。

 

 新たに立ち上げた Forumは、C40に参加する90以上の都市のネットワークを活用し、divestmentを促進するためのベストプラクティス、知識、ツールの普及を目指す活動となる。特に、Divestment活動に初めて取り組む都市にとっては、他の先行都市の経験や方法論を学ぶプラットフォームとなることが期待されている。

 

 Forumには都市関係者だけでなく、都市を活動拠点とする金融機関、コンサルタント、専門機関等の都市内外の専門家も参加する。Divestment活動には、都市自身の資産運用のほか、年金基金などの機関投資家や資産運用機関を、地域レベルと国レベルの両方で持続可能な投資を推進するよう支援する活動も含まれる。

 

 すでにC40の主要メンバー都市であるニューヨークやロンドンなどは化石燃料関連の株や債券投資等を廃止する宣言を行っている。ただ、C40に参加している日本の東京都と横浜市は、まだそうしたDivestment宣言は行っておらず、Forumの立ち上げとともに、日本の都市の存在感を示すためにも、積極的な行動に踏み出すことが求められている。

 

 C40はニューヨーク、ロンドン、パリなど世界90以上の主要な都市がメンバーとなって、気候変動対策を都市の視点で促進することを目指す活動を展開している。参加都市の総人口は6億5000万人、世界のGDPの25%を占めている。

 

 米ニューヨーク市長のBill de Blasio氏は「ニューヨークは海に面しており、気候変動への対応は当然のことだ。NYは全米で最初にDivestmentを宣言した主要都市であり、われわれの経験を化石燃料投資を減少させるために、世界の他の都市に提供できることを誇りに思う」と述べている。

 

 英国ロンドン市長のSadiq Khan氏も「気候変動には国境はない。気候変動の最悪の影響を防ぐためには、世界中の都市の共同行動が求められる。世界中の都市が一緒に歩を進めることで、化石燃料投資からのDivestmentを大きく前進させることができるのだ」と、都市の協調行動の意義を強調している。

 

 東京都、横浜市のコメントもこの後に紹介できればよかったが、残念ながら,日本の都市のDivestmentの動きは両都市および他の都市も含めて、明確ではない。政府の方針よりも先行して動こうという都市は今のところ出てきていないのが現状のようだ。

 

 C40の代表の座にあるMark Watts氏は「これまでの投資戦略は、世界中の都市にとっての持続可能な将来とは一致しなくなっている。同時に、Divestmentは都市にとって、新たな機会を創り出すことにもなる。輸送機関の近代化、大気汚染の改善、エネルギー使用の効率化等、都市住民の生活をより良くできるメリットも数多く生まれる」と指摘している。

 

https://c40-production-images.s3.amazonaws.com/press_releases/images/279_Divest_Invest_Press_Release_10_Sep_FINAL.original.pdf?1536587994