人間の「尿」から直接発電・蓄電する「尿素燃料電池(おしっこ発電)」が登場。大阪工業大の金藤教授の研究(各紙)
2018-09-13 22:59:06
各紙の報道によると、人間の尿から直接発電し、蓄電もする「尿素燃料電池」が開発された。大阪工業大学の金藤敬一特任教授が研究を進めているもので、家畜の糞尿等からのメタンなどを発生させるバイオガス発電はすでに実用化されているが、新たな「おしっこ発電」は尿を直接かけて発電するという。
(写真は、『おしっこ発電』の仕組み)
金藤教授は「尿は高密度なエネルギー源」と説明する。同教授によると、尿素燃料電池は尿を直接かけて発電する。1㍑当たり5モルの尿素で、1㎠当たり12ミリアンぺア、2.62ミリワットの電力を得ることができたという。微量だがLEDをともしたり、IoT(モノのインターネット)センサーを動かしたりする程度なら十分可能な発電量という。
構造は、銅ニッケルをメッキした不織布に導電性高分子を塗布して、燃料電池の触媒として機能させる仕組み。量産しやすいシンプルな構造だ。同教授は「アンモニアも1.74ミリワットと発電材料になる。尿に含まれる塩分などが反応を阻害しないか確認していく」としている。
現在のところ、発電量がまだ少ないので、用途としては省電力センサーなどが有力視されている。たとえば、赤ちゃんや高齢者のオムツに搭載すれば、尿を検出して発電し、その信号データの送信用の電力に利用できる。また大規模化が進めば、将来は山小屋や宇宙船などの資源制約の厳しい場所のエネルギー源になる期待もある。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00488268?isReadConfirmed=true