デカプリオ主演の映画『ザ・ビーチ』で、世界的に有名になったタイ・ピピ島のマヤ湾。観光客殺到で生態系破壊が進行。無期限の閉鎖に（各紙）
2018-10-04 15:38:29
各紙の報道によると、米人気俳優レオナルド・ディカプリオ主演の映画「ザ・ビーチ」（2000年）の舞台として有名になったタイ南部のアンダマン海に浮かぶリゾート地、ピーピー島のマヤ湾を無期限で閉鎖されることになった。観光客が殺到し、湾の生態系が悪化するのを避けるため。
タイの国立公園・野生動物・植物保全局（DNP）が発表した。DNPは6月1日に同湾生態系を守るため観光客の立ち入りを禁止した。今月1日に解禁の予定だったが、調査の結果、生態系の回復には当分、時間がかかることが判明、官報で「閉鎖期間を通常の状態に戻るまで延長する」と発表した。
同湾は映画の公開後、世界中から、デカプリオファンらの観光客が殺到。サンゴ礁が傷つくなど環境破壊が進んだという。国立公園・野生動物・植物保全局のソンタム・スクサワン局長によると、毎月の評価を行ったところ、一日最大5000人の観光客が押し寄せたことによって生態系が深刻なレベルにまで破壊されていたことが分かった」という。また湾内を覆っていた植物などを含む生態系が完全に破壊されており、「環境を改善し、元の状態に戻すことは非常に困難だ」（同局長）という。
このため、閉鎖がいつ解除されるかの見通しは立っていない。現地の観光業者らは湾の閉鎖に大きな不満を漏らしている。「マヤ湾は重要な観光地。無期限閉鎖はピーピー島だけでなく、アンダマン海沿岸全域の観光業に深刻な影響をもたらす」との言い分だ。
だが、汚染された湾の状態では、観光客も不満を持つことになる。同湾の環境価値を評価し、価値を持続可能に維持する観光のあり方を、閉鎖期間中に検討し、整備する必要があるようだ。
http://www.afpbb.com/articles/-/3191964?cx_part=top_category&cx_position=3
Research Institute for Environmental Finance