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世界中の食塩から、1kg当たり平均506個のマイクロプラスチックを検出。海塩からは最高1676個。アジア地域がプラ汚染のホットスポット。韓国チームと環境NGOの共同調査(RIEF)

2018-10-19 22:22:39

Saltキャプチャ

 

 韓国の研究者と環境NGOのグリーンピースによる共同調査で、世界中から集めた39の塩ブランドを分析したところ、大半の36件からマイクロプラスチックを検出、特に海塩から最高1kg当たり1676個を検出、特にアジア地域での汚染度が高いことがわかった。平均、1kg当たり506個が含まれていた。海塩のプラスチック汚染はすでに米国の調査で明らかになっているが、今回はグローバルベースでの調査で、汚染が再確認された。

 

 調査論文は「Global Pattern of Microplastics(MP)インCommercial FoodーGrade Salts: Sea Salt as Indicator of Seawater MP Pollution」。環境学術誌『Environmental Science&Technology』に掲載された。

 

 食塩にマイクロプラスチックが含まれていることは、NY州立大学のSherri Mason教授が、米国内の食料品店で購入した12の食塩サンプル(うち海塩は10サンプル。いずれも世界中からの輸入品)を分析したところ、すべてからマイクロプラスチックを検出したと報告している。http://rief-jp.org/ct12/72592

 

 今回の韓国チームの調査は、対象範囲を21カ国・地域に広げた。国は、オーストラリア、ベラルーシ、ブラジル、ブルガリア、中国本土、クロアチア、フランス、ドイツ、ルーマニア、インド、インドネシア、イタリア、韓国、パキスタン、フィリピン、セネガル、台湾、タイ、英国、米国、ベトナム。

 

 それらの国々から合計39の塩サンプルを調達した。サンプルは、原材料と生産場所に基づき、16の国・地域から海塩サンプルを28件、8カ国・地域から岩塩サンプルを9件、2カ国・地域から湖塩サンプルを2件集め、分析した。

 

 その結果、塩1kg当たりで、海塩からは0-1674個を検出、岩塩からは0-148個、湖塩から28-462個をそれぞれ検出した。海塩のうち一件からは1万3629件という最高値を検出したが、「異常値」として対象から除外された。39件中3件からは検出されなかった。検出されなかったサンプルは、台湾(精製海塩)、中国本土(精製岩塩)、フランス(天日干しの未精製海塩)。

 

 地域別では、世界的なプラスチック汚染の「ホットスポット」とされるアジアが多く、インドネシアの海塩サンプルから最大量のマイクロプラスチックが検出された。同国は、世界で2番目にプラスチックを海へ排出している地域(1番目は中国)と考えられている。

 

 平均すると、1kg当たり506個のマイクロプラスチックが入っていたことになる。これらの踏まえると、平均的な成人は年間約2000個のマイクロプラスチックを体内に取り入れていることになる。

 

 調査に当たったキム・スンキュ教授は、「調査結果は、海由来の製品を介したマイクロプラスチックの人体への摂取は、特定の地域におけるプラスチックの排出と強く関連していることを示唆している。マイクロプラスチックへの曝露を制限するために必要な予防策は、プラスチックの排出を抑制すること、そして何より、プラスチックごみを削減すること」と指摘している。

 

 グリーンピース・東アジアのキャンペーナー、キム・ミキョン氏は、「プラスチック汚染をその発生源から止める必要がある。 私たちの健康と環境のために、企業が率先して、使い捨てプラスチックへの依存を減らすための緊急措置を講じる必要性が求められる」と強調している。

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.8b04180

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2018/pr20181018/

http://www.greenpeace.org/eastasia/#tab=0