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欧州議会、使い捨てプラスチックの使用規制法案を採択。2021年までに実施を目指し、欧州閣僚理事会と協議へ。酸化型生分解プラスチックも規制対象に(RIEF)

2018-10-25 16:24:57

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  欧州議会は24日、ストローやフォークやスプーンなどの使い捨てプラスチック製品の使用を2021年から禁止し、代替品のないプラスチック製品については、2025年までに現状よりも少なくとも25%減少させることを義務付ける法案を圧倒的多数の賛成で可決した。石油由来の酸化型生分解プラスチックも使用禁止規制の対象に含める。EUの法制化には、この後、閣僚理事会との調整が必要だが、EUがプラスチック規制のリード役になる機運が盛り上がっている。

 

 議会に提案された法案はベルギー選出の欧州議員Frédérique Ries(自由民主連合)氏が提案した。内容は 欧州委員会が立案したとされる。採決の結果は、賛成571人、反対53人、欠席34人で、圧倒的に規制賛成だった。

 

 使用禁止規制の対象となる使い捨てプラスチック製品は、ストロー、フォークや、スプーン等のプラスチック容器、風船の持ち手、綿棒の柄など。これらは、海洋や海岸のプラスチックごみの70%を占めるとして、使用禁止を目指す。

 

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  また、規制対象には、発泡スチロール製の食品容器などのほか、石油由来の酸化型生分解性プラスチックも加えている。生分解プラスチックには、酸化型のほか、ポリ乳酸等から作る加水型生分解プラスチックがある。前者は石油由来のプラスチックに酸化促進剤を混ぜて、酸化によるプラスチック分子の低分子化と、微生物分解を二段階で行う仕組みだが、基本は化石燃料の使用となることから、欧州議会は禁止規制対象に加えるとした。

 

 生分解性プラなどの代替品がない製品については、使用縮減を推進する。2025年までに25%減少させる対象として、ハンバーガーを入れる容器やサンドイッチ容器、果物や野菜、デザート、アイスクリームなどを入れる容器などを明記した。具体的な減少目標については、EU加盟各国が国別目標を立て、対象製品の再利用やリサイクル、用途の多様性などの政策を展開することを求める。

 

 タバコのシガレットのプラスチック製の吸いさしやフィルターなどについては2025年までに50%減、2030年までには80%減という高い目標を設定した。海洋放棄されるプラスチック製の釣り具等については毎年の回収率を少なくとも50%とするほか、リサイクル比率を2025年までに15%以上に引き上げるとした。釣り具関連のごみは、欧州の海岸を覆うゴミの27%を占めるという。

 

 提案者のFrédérique Ries氏は「議会はもっとも野心的な使い捨てプラスチック対策を採択した。これを踏まえて今後、閣僚理事会と実効ある協議を推進できるかは、われわれ自身にかかっている」とEU全体での取り組み実施に向けた決意を示している。欧州議会と閣僚会議の協議は11月にも始まる予定。

 

 欧州委員会の環境・海洋・漁業担当の欧州委員であるKarmenu Vella氏も「今日の採択で、われわれは最大の課題である欧州の使い捨てプラスチック製品の一掃に一歩近づいた」と語った。

http://www.europarl.europa.eu/news/en