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日本の河川、大半でマイクロプラスチック検出。レジ袋や発泡スチロール等が影響の可能性。最高は千葉県大堀川の1㎥当たり11.9個(RIEF)

2018-11-03 23:56:32

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 東京理科大学と愛媛大学は、北海道から沖縄までの29河川を対象とした調査で、9割に相当する26河川からマイクロプラスチック(MP)を検出したとする共同研究論文をまとめた。もっとも多かったのは、千葉県大堀川(1㎥当たり11.9個)、次いで神奈川県鶴見川、熊本県白川。発見されたMPはレジ袋や発泡スチロール容器など由来のものが多かったという。懐かしき故郷の河川はプラスチックごみで汚染されているわけだ。

 

 論文は、東京理科大理工学部土木工学科・片岡智哉助教、二瓶泰雄教授及び愛媛大学工学部環境建設工学科・日向博文教授の共同研究グループがまとめた。研究結果はElsevier の国際学術雑誌「Environmental Pollution」に掲載された。

 

 日本の周辺海域では、世界平均の27倍の濃度でMPが高濃度で集積している「MPのホットスポット」とみなされている(MP個数は1㎥当たり3.74 個)。プラスチックは通常、陸上で消費され、それが河川等に放棄されて、海洋に流れ出ることが想定されている。今回の調査は、わが国での河川経由のMP経路を把握するために、主要河川の調査を実施した。

 

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 調査は、2015~18年にかけて、全国の主要な29河川36地点で水を採取。その結果、大半の26河川31地点からMPを検出した。全地点平均の検出数は、1㎥当たり1.6個。同11.9個ともっとも数の多かった千葉県大堀川は、かつて湖沼水質ワースト1だった千葉県手賀沼に注ぐ河川として有名だ。次いで多かったのは神奈川県鶴見川、熊本県白川のともに4.9個。MPがゼロだったのは、北海道声問川、高知県仁淀川、熊本県球磨川の3河川だけ。

 

 調査地点より上流の河川流域の人口密度と、市街地率を比較したところ,MP濃度と両者には有意な正の相関関係があったとしている。このため、市街化して人口密度が高い河川ほどMP濃度が高いことがわかったことになる。河川流域での人間活動の影響が大きいほど、河川のMP汚染が進行していることを世界で初めてデータ分析で明らかにしたといえる。

 

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 検出されたMPは、小売店のレジ袋などに使われるポリエチレン、ペットボトルのフタの材料になるポリプロピレン、発砲スチロールとなるポリスチレンが確認されたという。

 

https://www.ehime-u.ac.jp/wp-content/uploads/2018/10/c82ef06c9590cf12ad73ba5b27f04a82.pdf