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廃プラスチック対策で、世界初の「木材ストロー」誕生。アキュラホームと、ザ・キャピトルホテル東急が共同開発。来年1月からホテルで試用(RIEF)

2018-12-12 16:34:26

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  廃プラスチック対策で、住宅メーカーのアキュラホーム(東京)とザ・キャピトルホテル東急(東京)が、間伐材を原料にした「木材ストロー」を開発、同ホテルのレストランで来年1月から試験導入すると発表した。森林保全の間伐材利用と、廃プラ対策の推進の両方を目指す形だ。顧客の反応を踏まえて、来年4月までに、ホテル内のすべてのレストランのストローをプラスチック製から木製に切り替えるとしている。

 

 木材ストローの開発は両社が「Wood Straw Project」として推進してきた。製品化のきっかけは、環境ジャーナリストの武田有里氏が、今年7月豪雨の被災地域を取材した際に発案したという。両社は武田氏の発案に賛同して開発を進めてきた。

 

 開発したストローは長さ21cm、直径4mm。杉の間伐材を厚さ0.15mmに削った超薄型の材料を、らせん状に巻いて筒状に加工した。表面には木製らしく、木目が斜めに入る。杉の木は匂いがないことから、飲み物に木の匂いが移らないという。プラスチックストロー同様に、使い捨てで、繰り返し利用はしない。ただ、木質なので廃棄物を集めれば木質バイオマスの原料になる。

 

 価格は1本数10円とプラスチック製より10倍ほど割高になる。この価格差分はホテル側が負担するという。同ホテルでは年間8万本のプラスチック製ストローを使用しており、末吉孝弘総支配人は「継続的な環境保全につながる仕組みであり、導入を決めた」と語っている。

 

  開発のきっかけを作った竹田さんは「間伐材は細く、未成熟材のため、主伐材より用途が限られるなど需要が激減している。『木材ストロー』を開発・導入し広めることで、間伐材の活用促進や災害防止などの持続的な森林経営の一助になればと考えている」とコメントしている。

 

 アキュラホームは、木造注文住宅を手掛ける住宅会社。木の魅力を伝えるため、これまでも間伐材で製作した小学校の学習机の天板を累計1万1971枚分、寄贈するなどの活動を展開している。

 

 キャピトルホテル東急は、枓栱(ときょう)など伝統的な建築様式を用いた木の温かみを感じる和モダンのデザインを取り入れている。木材ストローもそうした「和のコンセプト」にマッチする、としている。両社は「世界初の木材ストロー」とアピールしており、海外からのインバウンド客にも人気になりそうだ。

http://www.aqura.co.jp/company/news/pdf/181211.pdf