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名古屋港に面した国内最大級の食品リサイクル工場、処理汚染水を海に垂れ流し容疑。愛知県警が社長ら関係者を逮捕、捜索。循環型処理が「循環せず」(各紙)

2019-01-24 15:12:36

kumamoto1キャプチャ

 

  各紙の報道によると、国内最大級の処理能力をもつ名古屋市内の食品リサイクル工場「バイオプラザなごや」が排水基準を超える汚染水を海に流していたとして、愛知県警は、同工場の運営会社「熊本清掃社」(熊本市)の社長ら2人を水質汚濁防止法違反の疑いで逮捕した。同社では食品廃棄物から肥料をつくる循環型経営を展開していたが、処理後の排水を十分に処理していなかった。同社はごみの運搬手続きなどで優遇される、国の再生利用事業登録をしている。

 

 (写真は、汚染水垂れ流しで摘発された「バイオプラザなごや」の全景)

 

 朝日新聞等の報道によると、逮捕されたのは、熊本清掃社社長の村平光士郎(46)=名古屋市熱田区=、工場責任者の都築勇太(34)=愛知県東海市=の両容疑者。逮捕容疑について、村平容疑者は「違法な排水を指示していません」と否認しているが、都築容疑者は認めているという。

 

 愛知県警によると、2人は共謀して昨年9~11月の間、5回にわたって水質汚染の指標であるCDO(化学的酸素要求量)などの基準値を超えた汚染水を、処理工場の排水口から工場が面している名古屋港に排出した容疑がある。

 

工場からの名古屋港への排水状況(朝日新聞から)
工場からの名古屋港への排水状況(朝日新聞から)

 

 同社は、廃棄食品を再生する専門のリサイクル施設「バイオプラザ」を熊本と名古屋に設置している。「食品を再生する上での3大課題である『分別技術』『脱臭技術』『肥料の販路の確保』を克服し、環境貢献している」とHPで説明しているが、再生後の廃棄物処理には手が回らなかったということになる。

 

食品リサイクル施設では有機100%の堆肥を作り、それを農作物等の栽培に利用することで「消費者と生産者とを繋ぐリサイクルの輪を形成している」ともしている。環境への負荷軽減と、食品廃棄物処理の両面に貢献するとして、環境省と農水省に再生利用事業登録をしている。

 

 また2017年度には、先進的なリサイクル関係施設の整備を支援する愛知県の「循環型社会形成推進事業費補助金」にも採択されている。「バイオプラザなごや」の1日の処理能力は326㌧で、「国内の食品リサイクル施設では最大級の能力」を持つ。

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