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政府各省や国の関連機関、合計209機関、庁舎内の食堂等での使い捨てプラスチックの提供中止へ。グリーン購入法基本方針を改定(各紙)

2019-02-08 15:29:07

petキャプチャ

 

 政府は8日、グリーン購入法基本方針の改定を閣議決定した。その中で、プラスチック廃棄物問題に対処するため、各省庁や国立大学などの国の全209機関で、庁舎内の食堂等での使い捨てプラスチック製ストローやスプーンなどの提供や、会議などでのペットボトル飲料の配布を取りやめる方針を決めた。2019年度から、国の各機関が物品等の購入に際して、納入業者と契約する際、「脱使い捨てプラスチック」の取り組みを選定の条件にするという。

 

 各紙の報道によると、プラスチック廃棄物による海洋汚染が国際的な問題になっており、飲食業界等を中心にしてプラ製ストローの使用中止や生分解性プラ製品への切り替えなどの動きが進んでいるが、国としても脱プラ調達を義務化し、さらに自治体などへにも追随を促す考えという。6月に大阪で開催を予定しているG20でも、このテーマが課題の一つになるため、政府姿勢の明確化をアピールする狙いもあるようだ。

 

 グリーン購入法は、各省庁や国立大学のほか、国会や裁判所、独立行政法人等が必要物品等を民間から調達する際に、環境に配慮した業者との契約や配慮型商品の購入を義務づけている。今回の改正で決める新たな基本方針には、庁舎内の食堂やカフェの運営委託業者を選ぶ際の条件として、使い捨てプラ製ストローなどを提供しないことを新たに盛り込んでいる。

 

 また、各省庁の庁舎内に店を開くコンビニなどでも、レジ袋の有料化や、使い捨てプラスチックスプーンの使用に際して、必要性の有無を確認する仕組みを導入するなど、使い捨てプラ削減に取り組むことを条件にするとしている。

 

 各省庁がさかんに開催する有識者会議を、業者に委託して運営する際も、ペットボトル入り飲料水等の提供はしないことを選定条件に追加した。環境省は、少なくとも年間8万5000本分の削減効果があると試算している。ペットボトルの提供を減らしても、政策効果があがるような議論を「有識者」にはしてもらいたいものだ。

 

  国連環境計画(UNEP)の報告では、日本は1人当たりの使い捨てプラごみの発生量が世界2位の「不名誉な廃プラ大国」でもある。しかし、環境省を含めてこれまで、廃プラ対策には消極的で、昨年6月にカナダで開いた主要7カ国首脳会議(G7)では、使い捨てプラの使用削減などを掲げる「海洋プラスチック憲章」への署名を、米トランプ政権と歩調を合わせるかたちで見送り、内外から批判を受けた。

 

 今回の閣議決定は、G20対策ともいえる。原田義昭環境相は閣議後会見で「海洋ごみなどプラスチックをめぐる課題に、政府として率先した対応が必要。使い捨てプラの使用削減などの取り組みを自治体や産業界にも広げていきたい」と話した。だが、すでに先行する自治体や産業界は、政府の「一年遅れの思惑」を超えて、脱プラに舵を切っている。