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ホンダの英工場閉鎖阻止を求め、工場従業員らが英議会に陳情と抗議。ブレグジットが生み出した「ホンデジット(ホンダの英国からの離脱)」で職を失う労働者の怒り!(RIEF)

2019-03-07 20:41:46

Honda1キャプチャ

 

  本田技研工業が先月、英国南部のスウィンドン工場の閉鎖を発表したことを受け、ホンダの現地従業員らが、ロンドンの国会議事堂前で、工場閉鎖の撤回をホンダに求めるよう、議員らに請願する抗議行動を展開した。

 

 英国がEUから離脱する「ブレグジット(Brexit)」の期限は今月末に迫っている。延長の見通しが出ているが、先行きは引き続き不透明。そうたい中で、ホンダが2021年には同工場を閉鎖する方針を打ち出したことで、トヨタも「合意なき離脱」になれば、2023年にも英国からの撤退示唆にもつながった。

 

Honda2キャプチャ

 

 ブレグジットならぬ「ホンデジット(Hondexit)ホンダの英国から離脱」のインパクトは英国労使を揺さぶる衝撃なのだ。スウィンドン工場の従業員は約3000人。部品などの下請けなども含めると地域経済への影響が大きいのは間違いない。

 

 6日の議会前での従業員らのアピールは、英政府に対し、工場閉鎖の決定を撤回するようホンダを説得してほしいとの訴え。この日、議会では、野党・労働党のジェレミー・コービン党首がホンダ従業員らを支持するバッジを胸に付けて党首討論(クエスチョンタイム)に登場し、議事堂外での従業員たちのアピールの声を受けながら、メイ首相を追求した。

 

Honda3キャプチャ

 

  ホンダは、発表時点から、工場閉鎖の決定は世界の自動車産業の「かつてない変化」に基づくもので、ブレグジットとは関係ないと説明している。

 

 実際、同工場は主力車シビックを約16万台生産したが、半数は米国や日本向けに輸出。「欧州拠点」の機能を果たしていない。生産能力も本来は年25万台だが、販売の低迷もあり2014年には第2工場を休止。長年、ホンダのリストラ対象になっていたとされる。

 

 ブレグジットとホンデジット。国のガバナンスと企業のガバナンスが微妙に交錯しているともいえる。明瞭なのは、従業員が職を失うことと、地域経済の低迷が加速する、という点だ。