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プラスチック使用削減の世界官民イニシアティブ「Global Commitment」。昨年10月の発足後、署名企業・機関350超す。日本は2社・機関だけ。UNEPと英財団が報告(RIEF)

2019-03-19 08:46:20

glonbalcomit

 

 英国NGOのエレン・マッカーサー財団は、昨年10月に国連環境計画(UNEP)の支援で立ち上げたプラスチック削減推進の官民連携活動「New Plastics Economy Global Commitment」への署名企業・機関が350社を超えたと公表した。不要なプラ容器削減や、包装用プラスチックの100%再エネ化等、6項目を共通目標に掲げ、2025年までの削減方針を宣言している。日本の署名企業・機関は2社だけ。

 

 

 「Global Commitment」は、昨年10月のバリ島で開いた国際会議で設立された。コカ・コーラ、ユニリーバ、H&Mなどのグローバル企業、団体約290社がプラスチックゴミ削減宣言を行った。プラスチックを廃棄物にしないことを目指すプラスチックのためのサーキュラーエコノミーの共通ビジョンを掲げている。http://rief-jp.org/ct12/84150

 

 共通ビジョンは、①不必要なプラ包装の削減②使い捨て包装材削減に資する再利用モデルの適用③すべてのプラ製品は100%再利用か、リサイクルか、肥料化されるべき④すべてのプラ製品は実際に再利用され、リサイクルされ、肥料化される⑤プラスチックの使用は有限資源の消費と切り離されるべき⑥プラ製品は有害化学物質を含まず、人々の健康と安全と人権を尊重される、の6項目を掲げている。

 

 共通ビジョンに賛同して「Commitment」に署名した機関のうち企業は、発足時から4カ月で、当初の100社強から150社強に増えた。これらの企業は世界のプラスチック包装利用の20%以上を占め、その総収入は2兆㌦を超える。消費財産業ではネスレ、コカコーラ、ペプシコ、ユニリーバ、ケロッグなど、小売業ではウォルマート、シュワルツグループ、カルフール、セルフリッジなどの大企業が名を連ねている。

 

 日本企業では、二村化学(名古屋)が企業としては唯一、署名した。同社は包装用プラスチックフィルムや、セロハン、セルロース100%の不織布などを製造している。同社は署名宣言の中で、同社のプラスチックフィルム部門がすべての生産ラインを2025年までにリサイクル可能なものに切り替えるコミットメントをしている等を明示した。https://www.futamura.co.jp/

 

 同社以外では、賛同署名の形で、リサイクル促進活動等を展開している「Circular Economy Japan」が加わった。宣言に署名した各社は、今後、1年半ごとに自社の実施目標を見直し、達成度などを公表して透明性を確保する。

 

 宣言には、各国政府や自治体等も署名している。英国、チリ、ルワンダ、グレナダなどの各国政府、ニュージーランド、ポルトガル、ペルーなどの各環境省などだ。日本政府は6月に日本で開催するG20でプラスチックの海洋汚染対策推進のリーダーシップを目指す、としている。だが、今のところ、「Global Commitment」での存在感はゼロだ。

https://www.ellenmacarthurfoundation.org/assets/downloads/GC-Spring-Report.pdf