HOME11.CSR |国連「2019年幸福度ランキング」公表。1位は2年連続でフィンランド。日本は昨年より下がってここ数年で最低の58位。アジアでも台湾、韓国に抜かれる。低い「他者への寛容さ」(RIEF) |

国連「2019年幸福度ランキング」公表。1位は2年連続でフィンランド。日本は昨年より下がってここ数年で最低の58位。アジアでも台湾、韓国に抜かれる。低い「他者への寛容さ」(RIEF)

2019-03-22 00:09:13

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 国連による2019年の「幸福度」ランキングが発表され、フィンランドが2年連続で1位になった。日本は昨年よりも4つ順位を下げて58位。主要7カ国(G7)中で最も低く、台湾や韓国を下回った。

 国連の幸福度ランキングは7年前から公表されている。1人当たりのGDP(国内総生産)だけでなく、健康に生きられる年数、社会の自由度などを数値化して評価する。対象国は156カ国。

 日本はここ数年、2015年が46位、2016年が53位、2017年が51位、2018年が54位と、「中位グループ」を漂っていたが、今年はその中も最も低いランクに下がった。



 項目別では、日本は「健康に生きられる年数」は2位と高く評価された。一人当たりGDPも24位。ただ、「他社への寛大さ」では92位、「社会の自由度」は64位と、低い水準だった。「社会的支援」は50位。社会の生きにくさが、国際的にも認知された格好だ。

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 調査は、2005~2008年と、2016~18年の間の「幸福度」の変化も比較した。対象となった132カ国中、62カ国が目立った増加を示したのに対して、42カ国が目立った減少を示した。日本はこの「減少国」にランクされた。

 2005~08年といえば、リーマンショック前で、かつ第1次安倍政権から福田政権、麻生政権へと続く自民党政権時代。16~18年は、第3次及び現在の第4次安倍政権の時代に相当する。経済的な変化の影響か、あるいは政治体制の不変化が影響したのか。

 全体では、フィンランドが2年連続1位になったほか、2位デンマーク、3位ノルウェー、4位アイスランドと北欧諸国が上位を占めた(スウェーデンは7位)。北欧諸国は福祉や教育等が充実していることで知られる。

 その他の主要国では、Brexitが焦点となっているイギリスが15位、トランプ政権で揺れ続ける米国は19位。昨年末以来、イエロージャケット運動が全国規模で続き、混乱が収まらないフランスは24位。



 アジアでは、台湾がアジア勢最高の25位、34位シンガポール、52位タイ、54位韓国、日本はその次で、アジアで5番目の位置付けだ。中国は93位。「世界一幸福度が高い国」とされるブータンは95位と、意外と低評価だった。



 目下、政治や経済の混乱が続く南米のベネズエラは108位。最下位の156位は、紛争が続き去年8月に和平協定が結ばれたアフリカの南スーダン。

 国連の「幸福度」は、①1人当たりGDP ②健康に生きられる年数③社会の自由度④他者への寛大さ⑤社会的支援⑥政府やビジネスにおける腐敗のなさ、などを数値化している。

 https://s3.amazonaws.com/happiness-report/2019/WHR19.pdf