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奈良・東大寺近くで死亡したシカの胃袋から、プラスチック様の塊。プラスチックゴミを食べた可能性。海洋廃プラ汚染だけでなく、陸上でもプラごみ汚染の犠牲が(各紙)

2019-04-03 13:49:09

anrashika1キャプチャ

 

 各紙の報道によると、奈良市の東大寺の近くで、衰弱し、その後死亡した国の天然記念物のシカを解剖したところ、胃の中から、ポリ袋様の異物3.2kgが出てきた。捨てられたプラスチックごみ等を誤って食べ続けたためとみられる。奈良市のシカは過去にもプラスチックゴミ等を食べて死ぬ事例が起きているが、廃プラ対策の不備が続いている。

 

 (写真は、奈良公園のシカ=亡くなったシカとは別です)

 

 朝日新聞が報道した。シカの保護活動に取り組む「奈良の鹿愛護会」によると、死亡したシカは体長約79m、体重約30kgのメスで、推定17歳。3月23日に、東大寺の近くで衰弱して立てなくなっているシカを通行人が発見、愛護会の職員が保護した。

 

 23日はえさや水を摂取したが、24日朝に死んだという。愛護会が27日、シカを解剖したところ、胃の中から重さ3.2kgの塊状の異物が見つかったという。ポリ袋等が絡まってできた塊とみられ、路上等に散乱したプラスチックごみ等を食べ続け、胃を圧迫するほどになって、栄養をとれなくなったとみられる。

 

 奈良市では2010年4月に奈良公園で開いたアースデーの際、同様にプラスチックごみを食べ続けて、胃に大きな塊ができて死亡したシカの事例が展示されたこともある。当時、展示されたのは2.6kgの塊で、今回のプラごみの塊は、それを上回る大きさだった。

 

 今回のシカの解剖を担当した愛護会職員で、獣医師の丸子理恵さんは「衰弱したシカの胃にごみが入っていることはあるが、これだけの量のごみが出てくることはあまりない。このシカは高齢なので老衰の可能性もあるが、かなり痩せて毛のつやも悪かった。袋が胃をふさいでしまって、十分な栄養がとれなかったのではないか」と話している。

 

 愛護会は専門機関にシカの内臓の病理検査を依頼し、詳しい死因の調査を進めている。プラスチックゴミの投棄を防ぐため、観光客等への呼び掛けが求められる。

 

https://digital.asahi.com/articles/ASM413TCMM41POMB009.html